お気に入りのCD

「ウルトラマンネクサス」THE SECOND CHAPTER  川井憲次  コロンビアCOZX-131→132

 このウルトラマン、平成シリーズに入って、ネオスを入れると六作目に当たる。おそらく子供受けは相当悪かったのではないか。昭和のウルトラシリーズのセブンやレオのような暗い部分があり、何よりも主役はウルトラマンに変身する人間というよりも防衛隊の隊員という設定だからだ。変身する人間もひとりではなく、やがて死に、そして受け継がれて行くというのだ。しかも、変身する人間は何かしらを背負って生きている。ストーリー説明が長くなったが、音楽も人間の奥底の悩みや葛藤、哀しみを表わす曲もあり、また逆にこれまで通りのヒーローもののマーチや勇壮な曲もあり、全体的に他のウルトラシリーズのサントラと比べてヴァラエティに富んでいる。このアルバムは第二集なのだか、サード・パーティと呼ばれる第三のウルトラマンに変身する人間である憐のテーマがいい、病を背負った人間らしく、少し哀しみの部分が感じられるシンプルな曲だ。1曲目のネクサスのテーマやアルバム終盤の戦いの曲や勇壮な、未来へ続く曲、ビートの効いた最後の曲も良い。他のウルトラ・シリーズと一線を画した作品である。ちなみに次の作品はこの暗いウルトラマンから脱却し、王道をゆくウルトラマン・マックスとなった。

「セクシーボイスアンドロボ」(TV)   中塚 武   VAP VPCD-81562

 大後寿々花、松山ケンイチ主演のテレビドラマのサウンドトラック。ドラマは第1回の内容が不評(私は面白かったが、日本の映画も含めた作品で常識になっている登場人物説明などしなかったためか難解と言われた)だったせいで、視聴率は散々な結果になった。しかも第七回は、放送前に類似の事件があったため放送を自粛するという事態になってしまった。まったくついていないドラマだ。しかもこの第七回は大いに笑えて、しんみりと考えさせられた。回を追って行くほどに登場人物の人間模様がわかっていき、笑えて、最後はしっかりと言いたいことを主張できている。私はこのドラマが他のどれよりも好きだった。ドラマの説明が長くなったが、音楽はもっと好きになった。色んなタイプの音楽があり、作曲者の器用さが伺える。しかもリズムも新鮮で能力の高さも確実。これはすごい作曲者が現れたなとおもっていたら次々にドラマでの作品を書いているようだ。「夢をかなえるゾウ」(ユニヴァーサル UPCH-1637)も良かった。時間が絶てばまた聴きたくなる哀愁を帯びたメロディ、ノリノリのビートの効いた曲、コミカルな曲、異国情緒のある曲、どれをとっても1級品。

EP

「ふたりだけの恋の島」   ジャンニ・マルケッティ  RCA   BVCP-1043

                           伊BEAT  DDJ011

 作曲:ジャンニ・マルケッティ 日本ではあまり知られていない作曲家だが、この作品の他に「野性の眼」などがある。この映画をテレビで見たのは中学3年か高校1年ぐらいだったか定かではないが、当時若かった自分には強烈なインパクトがあった。裸はいっぱい出てくるし、それ以上に音楽の印象が強かった。こんなタイトルのレコードをレコード店で見たことなかったから、新聞の番組欄のタイトル見て音楽良さそうだなという勘だけでテレコを回したらズバリの結果だった。すごくうれしかった。しかしそれ以上に、天と地がひっくり買える事が起こった。大学の後半ぐらいの時(80年半ば)にふと津市の電気屋が経営する寂れたレコード店に入ったら、なにこれ、EPは廃盤の倉庫か!このレコードもふと手にしたときにはさすがに震えた。で、これが買えたのでした。上述の買えるは変換ミスじゃないことがおわかり!この店、廃盤になってもレコード会社に戻してなかったのね。中古店では決してなかったのよぉ。この1枚の他、「雨のエトランゼ」「哀愁のパリ(LPにはないセリフ入編集もの)」「レーサー」「ゲッタウェイ」「さらばバルデス」「別れの朝」「ガラスの墓標」「水の中の小さな太陽」を買った。その店は私がこれらのレコードを買いつくすのを待っていたかのように、その直後店をたたんだ。94年のその後ソヴァービア・ブームに乗り、日本のRCAから復刻シリーズと題してマンシーニやモリコーネの有名作品といっしょに、シネマ・ミュージック・コレクションとして「ふたりだけの恋の島」はCDが出たのだが、すぐに廃盤になったらしい。というよりレコードと違い、回収して溶かして作り直すということがないため、つくったら売り切ったことになっていて、メーカーに在庫を持たなかったと言う現状の限定盤状態だったようだ。売れてしまってなかったら店に残っているはず。ふだんサントラ客の少ない店に急げ!
 その後、イタリアのビート・レーベルからレコード未収録の曲を増やしてリリースされたが、これまた限定盤である。

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