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10.職種について
同じ企業でも、職種によって仕事内容は異なります。さまざまな職種について考えましょう。

職種の分類
職種とは職業の種類のことで、大きく分けると「事務系」「営業系」「専門系」「技術系」に分けることができます。 仕事内容は業種や部門によってかなり差がありますので、志望業界・志望企業ごとに確認する必要があります。


●事務系
業種の違いに関係なく、企業が円滑に機能するために必要な仕事です。社員の福利厚生や給与について 採用や配属から各種研修、会社の資金運用、売り上げや経費のことなど、会社が活動することで必ず発生するこれらの仕事を担う部署です。 広報や宣伝など社外へ情報発信を行う部署もありますが、どちらかといえば「縁の下の力持ち」。企業活動を行ううえで要となる役割を 担っています。
職 種 名 職 務 内 容
総務職 企業組織全体の調整維持を主体業務とし、一つの部や課に属さないような仕事を受け持つ。
受付、事務所運営、警備、電話交換、慶弔管理などの仕事を行う。
人事労務職 採用、労務管理(勤怠管理、給与計算)、昇進、昇格、人事異動、福利厚生(社会保険の手続き等)、社員研修、教育などを行う。
経理職 企業活動における資金の管理・運用を行う財務や、会計面から経営情報の提供を行う経理など。


●営業系
営業職と販売職に大別される。製品やサービスを顧客に販売するとともに、それにかかわる調査企画やアドバイスなどを行う。 顧客のニーズに対応する知力や人間性が求められる。
業 種 名 職 務 内 容
製造業 自社の製造する製品を商社・卸売業を中心に販売する営業。商品の特徴を十分理解し、 市場のマーケティング、他社商品の情報収集、販売先との長期的ルートを構築する。
商社
卸売業
一般的に製造業の製品を次の流通段階へ効率的に引き渡す機能。商品の引き合い、契約、代金回収、市場開拓等を行う。 貿易業務を大々的に扱う総合商社から特定の商品のみを扱う専門商社まで規模や業務内容は多岐にわたる。
小売業 百貨店・スーパー・チェーンストア・コンビニエンスストア・専門小売店・通信販売まで規模・形態はさまざま。 一般的には不特定多数の個人への販売活動。百貨店などは外商部門があり企業や個人へのルートセールスもある。訪問販売や通信販売などの無店舗販売では、 インターネット販売も主流となってきている。
建設業 ゼネコンと住宅中心の営業活動は大きな違いがある。ゼネコンは比較的規模の大きな工事を中心とするので、政策的な手腕が必要になる(政府、下請け、孫受け企業との人脈等)。 住宅販売は一般顧客に対して、自社住宅の説明から契約、建設費の回収まで扱う。
銀行 都市銀行・地方銀行・信用金庫等規模により業務の範囲が異なる。基本的には預金業務と貸付業務を行う。一般的には都銀の貸付は大企業が多く、信金は中小企業が多い。 近年は業際拡大により取扱商品が増えているため、保険や証券に関する知識も必要。
証券 株式、債権、投資信託等の販売。多様化する商品の知識はもちろん、時々刻々の動きをつかみ、投資家との相談・コンサルタントの業務が重要な仕事。 個人投資家によるネット投資も増加しており、総合的な投資知識・グローバルなセンスが問われる。
情報処理
ソフトウエア
顧客の業務上の課題をシステムを用いて解決するためのソリューション営業が中心となる。システムの企画・開発・設計・運用・保守に至るシステム構築全般の総合窓口として、提案営業を行う。 技術革新のスピードが非常に速い業界で、営業といえども日々の情報収集と勉強が要求される。
旅行業 旅行業については営業が企画立案からチケット予約、ビザ取得、添乗をすべてこなすケースが多い。 個人旅行についてはカウンターセールス、通信販売、インターネット販売、業務出張を扱う業務渡航もある。


●専門系
専門系といわれる仕事は、幅広い分野に存在します。例えば、マスコミ、福祉、教員、法曹、証券など 、それぞれの業界内で必要となる専門的スキルや資格を身につけて働く人達すべてが「専門系」といえます。「専門系」には、あらかじめ 免許や資格を取得することが前提となる仕事と、入社後の研修を経て携わる仕事、入社後に経験を積みながら資格取得を目指す仕事, 特別な研修や資格はなく自分の経験とスキルを生かして働く仕事があります。会社に所属していないと活躍しにくい職種もありますが、 経験を積んで独立開業したりフリーランスで活躍することも可能です。
職 種 名 職 務 内 容
コピーライター 広告業者と協力して、商品や企業の潜在的価値を 言葉で表現する役割を行う。
各種デザイナー ファッションデザイナー、商工業デザイナーなど。クライアント (依頼主)と折衝し、アイデア、イメージなどを提供し、製作プランニングを行う。
記者 政治、経済、社会、スポーツ、文化、外信などの分野において、 ニュース価値のある現象に関するニュース記事、観測記事を執筆する。
撮影スタッフ 新聞社、雑誌社などに所属し、記事にのせるための 写真撮影などを行う。
アナウンサー テレビ、ラジオ局で「言葉を専門にしゃべるスペシャリスト」 である。司会、インタビュー、探訪などの業務を行う。
中学、高校、大学教職員 中学校、高等学校、大学において、生徒・学生の教育に従事する。
秘書 上級管理者に代わってその雑務を行う。企業の信用や 商権の拡大に関係している重要な職務である。
ケース・ワーカー、養護施設職員 福祉事務所、保健所などで、病気にともなう家庭問題、たとえば、 療養費、家庭不和、子供の世話など、病気の治療だけでは片付かない問題に対して相談にのり解決する。
カウンセラー 学校、企業などでガイダンス計画の全面に参与し、困難な問題に 直面している者に対して、その困難の所在、度合いなどを明らかにし、その解決への助言を与えることを その任務とする。
コンピュータ、情報処理職 システムエンジニア、プログラマーなど、ハードウエア、 ソフトウエアの研究、開発、利用を行う。
フライトアテンダント 飛行機乗客に対して必要なサービスを行う。
司書 図書館の専門職員で、図書の分類整理、配列、図書目録の整備、 読書相談にあたる。
法曹関係 裁判官、検事、弁護士、裁判所職員など。訴訟を審理し、 法規の適否を定める過程に関与する。
公認会計士・税理士 公認会計士は、事業全社経理上の書類の監査、証明を行う。 税理士は各種税金に関し、税務官公署に提出する書類の作成をはじめ、税務代理、税務相談などを行う。
不動産鑑定士 土地などの不動産を鑑定評価する。

●技術系
技術系の仕事の多くは、メーカーや情報処理・ソフトウエア業界が中心です。仕事の内容としては 、製品をつくるメーカーやハード関連を担当する会社(部門)とソフトウェア関連を担当する会社(部門)に分けられます。 メーカーやハード関連では、応用研究や製品設計・開発、品質管理など実際に製品をつくるために必要となる仕事で、かなり高度な 専門知識が必要です。ソフトウェア関連はコンピュータというハードを便利に活用するためにソフト(システム)を構築したり 、社内のネットワーク環境の構築などをする仕事です。
職 種 名 ソフトウエア関連=システムエンジニア、プログラマー、ネットワークエンジニアほか。
ハードウエア関連=応用研究、製品設計、開発、生産技術、品質管理ほか
研究開発関連=基礎研究ほか

志望と適性を考慮して、自分にあった職種を見つける
志望度の高い職種を数ある職種の中から見つけるには、志望業界で働く自分像をイメージしてみることが大切です。 適職探しはそこがスタート。「自分がやりたいこと」や、「できること」を考えながら、その業界で「働く自分像」をイメージすることは 自己分析にもつながり、また自己PRや志望動機にも結び付くので、じっくりと臨むことが重要です。また、それぞれの業界でどういう 職種があって、どんな仕事内容なのかを理解しておけば、異なる業界での新しい発見もあります。
       業  界           職  種   
建設・住宅・不動産 営業・設計・測量・施工管理・技術開発・デザイン・積算・インテリアコーディネーターなど
食品メーカー 営業・商品企画・商品開発・マーケティング・販売促進・研究開発・生産管理・物流など
化学・薬品・化粧品 営業・」販売・MR(薬品)・基礎研究・応用研究・生産管理・商品管理・商品企画など
機械・プラントエンジニアリング 営業・開発設計・生産管理・生産技術・資材調達・製品開発・情報処理など
電子・電気 営業・商品開発・マーケティング・技術開発・生産技術・品質管理・カスタマーサポート・購買など
自動車・輸送用機器 営業・販売・マーケティング・商品企画・商品開発・技術開発・生産技術・生産管理・購買など
エネルギー 事業計画・研究・技術開発・施設運転・施設管理・保全・施工管理・カスタマーサービスなど
商社 営業・フィールドエンジニア・セールスエンジニア・販売企画・貿易事務・基礎研究・製品開発・ システムエンジニア・製品調達・物流管理など
金融 法人営業・個人営業・ファイナンシャルプランナー・代理店営業・管理・融資・商品開発・ アクチュアリー・ディーラー・トレーダー・ファンドマネージャー・アナリスト・公開引受・M&A・リスク管理・与信管理・カストディなど
流通・小売り 営業・販売・外商・スーパーバイザー・マーチャンダイザー・バイヤー・店舗開発・商品開発など
情報・通信・IT 営業・システムエンジニア・ネットワークエンジニア・プログラマ・商品開発・サービス開発・ 技術開発・メンテナンス・Webプロデューサー・Webデザイナーなど
ホテル・旅行・レジャー・フードサービス 営業・販売・フロント・コンシェルジェ・予約・オペレーター・ツアーコンダクター・ 商品開発・調理スタッフ・ホールスタッフ・スーパーバイザー・店舗開発など
運輸・倉庫 営業・企画開発・運行管理・物流管理・システム開発・施設管理・ドライバー・パイロット・客室乗務員など


職種を考えるにあたって
(1)増える職種別・部門別採用
ここ数年、職種別・部門別採用を導入する企業が増えています。ほとんどの企業が本格選考に入る前のエントリー時やエントリーシート提出時に職種・部門の選択を求めています。 志望企業の職種・部門をしっかり研究し、早い段階で自分の希望をかためておく必要があるでしょう。

(2)キャリアデザインを考えて
あなたがこれから先会社の中で生きていく上で自分のキャリアをどう構築していくか、それを考えるのがキャリアデザインです。就職活動時の志望職種は、その第一歩と考えましょう。 キャリアデザインを描いた上での志望職種なら、面接での説得力も違います。
コース別採用について
企業によっては、一般職・総合職・中間職というコース別人事制度を採用しています。 コースによって仕事内容・給与・昇進・転勤などで大きな違いがあるため、志望企業の採用方法を 確認してどのコースで応募するかを決めましょう。最近では、パソコンの普及やアウトソーシングの 導入により一般職採用が減少していく傾向にあります。
新卒派遣という道
「派遣」とは、人材派遣会社が人材を求める企業と労働派遣契約を結び、その企業にスタッフを派遣、派遣スタッフは 派遣先企業の管理・業務指示下で仕事を行う雇用形態を指します。このとき、派遣スタッフが雇用契約を結ぶのは派遣先企業ではなく、 派遣会社になります。
「新卒派遣」は、社会人に比べて就業前研修の必要性が高いため、受け入れ人数が決まっている場合が多く、最初に選考試験を受ける ことになります。
新卒で正社員として働くことと、派遣で働くことは、働くという意味においては同じですが、福利厚生面や給与体系など長い目で見ると 正社員の方が有利になります。自分の働き方、キャリアデザインをよく考えて選択することが大切です。

●同じ職種でも、仕事内容や求められる人材像は企業によって異なるので、企業ごとにきちんと調べよう。
●希望する職務が、その会社でどの部署にあるのかOB・OG訪問の際に確認しておこう。