ペルー



 ペルーの古代インカ遺跡を巡る旅は、人間にとって ”豊かさ”とは?何か?を,子どもたちが教えてくれた旅でもあった。ペルーのあの町、この村で出会ったペルー子どもたちを 紹介してみたい。
 クスコの町からディーゼル機関車に、早朝から夕方まで、半日近く乗ると、やっとティティカカ湖のあるプーノの町に到着する。小さな列車は悪路を全速力で突っ走るバスのように、 左右上下に大きく揺れながら、海抜四千三百米の峠に向かってのぼっていく。 左右の車窓には、アンデスの山々にいだかれた村、アルパカの群れる草原、白雪を被った峰々が、まるで走馬燈のように 繰り返しあらわれ、流れ去って行く。
 プーノ近郊にシスタニ遺跡で知られるウマヨ湖がある。この湖はカルデラ火山で出来た 神秘的な湖である。この湖面を見下ろす高台には、円柱状に積み上げた古墳群が林立している。 大きな樹木の生えないアンデス高原の丘陵地帯には、アルパカが放牧され、湖水にはフラミンゴが を求めて飛来する。岩盤の窪みから顔をのぞかせたサボテンは、黄色や青色の花を咲かせ、 古墳に眠る人々の霊を鎮めている。
 ティティカカ湖では、湖面に繁茂するトトラ(葦)を切り、それを積み上げ浮き島を作り、そこで人々は生活を している。露天で商いをする子どもたちと商談?するうちに、すっかり親しくなり、 別れ際にオカリナをプレゼントしてくれた。
 ティティカカ湖もプーノの町周辺では、一面に青藻が密生し、あちらこちら葦の茂みに投棄されたプラスチックのビンが浮遊している。 富士山よりも高いところにある聖なる湖でも、水の汚染が深刻な問題となっている。


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