ペルー



 クスコの町から列車(アウトバゴン)は、アマゾン川の源流であるウルバンバ川に沿って、終点のプエンテ・ルイナス駅まで上っていく。 マチュピチュ遺跡は、海抜2400米の高さに位置している。不思議な事に、大きな石で建造された古代都市が、輝かしいインカの歴史の中で、その名が 記されていない。人々は山の頂に新しい都を建造半ばにして突然、その姿を消してしまった。
 山腹に何層もつらなるアンデネス(段々畑)が、見事な幾何学模様を描き、往時の栄華を忍ばせてくれる。 積み上げられた石壁には、僅かな隙間から顔をのぞかせた紅色の蘭が咲き乱れ、蒼白の巨大石造建築群に艶やかな彩りを添えている。 大きな石積みの一角で、『失われた都市』のパノラマを眺めていると、インカ道のトレッキングを楽しむ人々が、大きな荷物を現地のポータに担がせ、 山道を下ってきた。20世紀にいきる我々が、いま、このマチュピチュ遺跡で、当時のままの生活が、はたして可能だろうか?


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