前項の木くずは古くからそれぞれの分野で利用されていますが、循環型社会構築を目指し、更なる木くずの新用途の開発と実用化に向けて、研究開発や技術開発に各界が独自にあるいは共同で取り組み、また、新商品開発に国・県・市町村等の各種補助制度を活用し取り組んでおり、既に、マーケットとして確立しているものも多く見られます。
(1)
背板、端材
製材工場からチップ向け原料として最も多く利用され、更に、背板の2次製品として高級割り箸、かまぼこ板などに高度に利用されています。
(2)
おが粉
家畜敷料、キノコ培地、オガライト・オガ炭等の原料、ボイラー用燃料などに利用されています。(地域により家畜敷料が不足している実態もある)
(3)
樹皮
バーク堆肥の原料、家畜敷料、成形燃料(ペレット)ボイラー用燃料などに利用されています。
(4)
建設関係木くず(建築解体木くず)
木くずの再利用率は約40%でかなり低いのが現状です。住宅用に再利用されるのは極めて稀であり、そのままの形態で直接利用されるのは銭湯用燃料だけす。多くは中間処理場でチップ化(破砕)、燃料用、製紙用、ボード用に再利用されますが、燃料用チップが前チップ70〜75%を占めています。
(5)
木くずのエネルギー源
木材乾燥用エネルギー源、自家発電、として利用されていますが最近は発電など地域のエネルギー源として利用することを検討するところが増えています。特に、建築解体木くずのリサイクルがクローズアップされてくる中で、例えば規模の大きな工業団地で共同で大量の燃料チップを利用して自家発電を行うなど、建築解体木くずの処理の一つの方向としては可能性がある。
(6)
炭化処理
水質浄化剤、土壌改良材、床下調湿材、特殊プラントによる油吸着剤等に利用されています。(液状化した製品も開発されている)
(7)
木酢液
炭化処理の段階で生産され低農薬農業の支援資材、木材の防腐処理などに利用されています。
(8)
道路舗装材
舗装材として無処理または樹脂処理したチップを敷き詰めたもので、街路、歩道、遊歩道、公園等の広場、学校、老人ホームなどに利用されています。
(9)
パーチクルボード等ボードの原料
(4)と重複しますが、主として建築解体木くずが利用されていますが、廃タイヤ等と複合したものもあります。(一般的に大規模プラント、マーケットは世界競争、安定供給と販路の確保がポイント)
(10)
人工木材
のこ屑等を微細粉化しプラスチックと複合、加熱成型したもので、建材、エクステリア材に利用されています。
(11)
木材チップ
木材チップは原木丸太初め、間伐材、林地・木材工業・建築解体・梱包材・パレット等の木くずを原料として生産されており、全生産量の60%が木くずによるもので、その大半は木材工業と建築解体木くずのものです。
バブル時の円高により輸入チップが急増し、国産チップの需要が低迷したのを契機に新用途開発と実用化による需要拡大に向け積極的に取り組まれました。
木材チップは、主に製紙用、燃料用、パーチクルボード、繊維板などに利用され、統計量には現れてきませんが最近では舗装材、緑化工材、マルチング材、炭化物などに幅広く利用されるようになりました。
参考
「木くずリサイクルシステム構築」の検討の一環として、製材工場の「工場残廃材等利用状況の実態」についてアンケート調査を実施した結果、木くず利用状況は下記のとおりです。
単位 m
3
木くず
発生量
利用状況
焼却等
チップ用
内装材用
燃料用
家畜用
製炭用
キノコ
堆肥用
その他
78,054
45,484
351
6,362
6,958
2,661
2,701
2,925
2,686
8,225
100%
58,0
0,4
8,1
9,1
3,4
3,5
3,7
3,4
10,5
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