トルコ 1

 イスタンブールは、ホスフォラス海峡でヨーロッパとアジアに二分され、二本の大橋で結ばれている。かつてはトルコの首都として、また、東西貿易の要の地であった。旧市街には栄華を極めた時代の遺跡群がみられる。市内にあるグランバザールは、まるで巨大な迷路を巡るようで、ペルシャの匂いを残す市場である。観光客だけでなく地元の人々でごった返している。
 買い物客の往来する流れの中には、子連れの家族も少なくない。チャイを盆に乗せ出前する少年が、巧みに人混みの間をすり抜けていく。市場の雑踏の中に母親に抱かれた子供の姿を見つけた。
 パムッカレ(綿の城)の石灰棚、温泉水をたたえた真白い小池が棚状に連なっている。夕日に映えるパムッカレは、深い雪に覆われた棚田のように幻想的な眺めである。山麓には広大な緑の畑に囲まれたパムッカレ村が見え、、その向こうに白雪を戴く雄大な山峰が姿を見せている。パムッカレ村の朝、石灰棚を背景にした母と子どもである。
 イズミールから南に約70Km,古代の都市、エフェソスの遺跡群がある。近くのブルブル山には、キリストが昇天した後、聖母マリアが余生を暮らした地に聖マリア教会がある。考古学博物館には、遺跡から発掘されたアルテミス像をはじめ数々の神々の像が展示されている。博物館の入り口で、「メルハバ!(こんにちわ)」と可愛い子供たちが近寄ってくる。美しい輝く瞳で微笑みかけられると、長旅の疲れも吹き飛んでしまう。


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