フィリピン


 セルマノさんの家族と知り合いになったのは15年以上も前のことになる。マニラ郊外のナヨロ・フィリピーノでガイドをしてもらったのがきっかけで、以来、文通がずっと続いている。 
 ナヨロ・フィリピーノは、犬山の明治村のフィリピン版である。国内の色々な地方の建物が公園内に集められ、色鮮やかな飾をつけた車・ジプニーに乗って巡回する。地方色豊かな機織り小屋や木彫り、民芸品を制作している現場を気ままに歩きながら覗く事が出来る。 
 日中の日差しは強烈であるが木陰に入ると以外としのぎやすい。大きな扇を拡げたよなヤシの葉が、鋭い陽光にキラキラと銀色に輝き、赤、紫、黄色の花を枝いっぱいに咲かせた南国の樹々の並木を抜けると大きな池が目の前広がる。その向こうに人工の火山が造られ、湖畔にはレストランがある。 
 セルマノさん夫婦には、男3人、女2人の5人の子どもがいる。セルマノ一家を支えているのは、もちろん奥さんのMrs.イステラである。細腕ながら働き者で、マニラの肝っ玉カァーサンある。フィリピンでは、このようなタイプのお母さんが少なくない。 
 セルマノ一家との文通は、もう10年近くも続いている。少しずつ、フィリピンの肝っ玉カァーサンを紹介してみたい。


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