オランダ


 オランダはチューリップと風車がトレードマーク。九州程の小さい国であるが、土地の利用率が高く、平野が多いために、広く大きな国に感じる。 
 ロッテルダムの東にあるキンデルダイクの小さな村。観光客や地元の人々が、風車の並ぶ河畔に集まる。愛犬を連れた家族や、パパと子ども達が、ハイキングを楽しんでいた。今日はパパが、子ども達を世話する役目。この家族は、一週間の内に3日間づつ、パパとママが子ども達の世話をする役割分担を決めている。 
 暗い厳しいオランダの冬が去り、春の到来を歓迎して、河畔には色とりどりの花が咲き乱れている。その向こうに牧草地が続き、放牧された牛や羊は、あちらこちらで、のんびりと草を食べている。水平線の向こうからやって来た緑の風が、草花の頭をそっと撫でる。その優しい愛撫に答えて、大きな羽根をいっぱいに拡げた風車は、ゆっくりと回り続ける。真っ青な空のキャンバスに描く白い羽根の丸い軌跡だけが、村を訪れる人々に、そっと時の流れを教えてくれる。


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