中国

 その昔、馬は天を自由自在に翔る天馬であった。天馬は空を飛ぶツバメを踏みつけるほどの速さ、『風馳電撃』で駆けめぐった。武威市雷台東漢墓から銅奔馬が発掘されている。五千メートルの峰峰が続く祁連山脈の麓に、この天馬の足跡が残された馬蹄寺(ラマ教寺院)がある。この地区は中国少数民族の裕固族自治県である。民族衣装を着飾った娘達は、外来の人々を酒と歌で歓迎してくれる。なみなみと注がれた酒杯を飲む干すまで、歌は唄い続けられる。   

 

 蘭州から敦煌まで、まるまる二日のバスの旅である。武威、張掖、酒泉、嘉峪関、玉門、安西、シルクロードに沿った町々で出会った子ども達を紹介してみよう 中国では、公園、寺院、廟など、老人が子どもと遊ぶ姿を見かける事が多い。碁、将棋、トランプを楽しむ老人たち。傍らで子どもたちが習字や勉強を教えてもらっている。甘粛省の八月、幹線道路の両側は、刈り入れの最中で、人々は脱穀や麦藁のかたずけに大わらわである。

 シルクロード沿いに立てられた長い煉瓦塀には、スローガンが白いペンキで書かれている。宣、『人類只有一個地球・必須厳格控制人口』、たった一つの地球を人類が共有しており、厳しい人口制限が必要である。このような『一人っ子政策』のキャンペーンが、あちらこちらにみられる。
 だが・・・我々、日本人が、既に失ってしまった母と子、父と子、その本来の姿を垣間見る事が出来る。何故なのだろう? 中国辺地の子どもたちは、ついこの間まで、日本で見かけた子どもの面影を色濃く残している。 
 小孩児!ニーハォ!・・・・・・再見!小孩児!

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