カンボジア


 アンコールワットは、世界に冠たる石像建築の遺跡群である。観光客の集まる寺院には、あどけない顔をした子ども達の姿がある。手に手にお土産や絵ハガキを掲げて、『ニーサン!買ってョ!コレ千円ネ!』といつまでも纏わりついてくる。
アンコールワットから少し離れた農村では、ニッパヤシと藁で作った高床式の家が、椰子林の中に点在している。田地の片隅にある沼地では、家族が総出でエビや小魚を網に追い込んでいる。


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   アンコールワットからまっすぐ東に20Kmほど行くと、バンティヤイ・サムレの寺院がある。十二世紀半ばに建造されたヒンドゥ寺院である。ここには甘いキュウリを 作った一人の百姓が、王様になった話が伝えられている。ひっそりと静まり返った境内を徘徊していると、どこからともなく四人の少女が現れた。長いマフラーを首にかけた少女たちが バンタアイ・スレイにある女神”東洋のモナリザ”に劣らぬ微笑で迎えてくれた。 アンコールワットに想いを馳せるとき、なぜか彼女たちの姿が瞼に浮かぶ。


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