休耕田を手作り≠フ遊び場に
ネイチャークラブ内部が企画
子どもらに自然£供


 子どもたちが自然と触れ合えるように―。四日市市貝家町のビオトープ(通称・トンボ池)は、ボランティアグループが休耕田を利用して作った手作り≠フ遊び場。今年は伐採した竹を使って炭焼き体験を計画しており、その現地を訪れてみた。
 (内田 敬子)


 「ここはもともと休耕田。セイタカアワダチソウなどが生え、ボーボーだったんですよ」―と、案内してくれたのは「ネイチャークラブ内部」のみなさん。この日は草刈りや土壌整備、竹炭の準備などの作業をしていた。


 近所に住む手平雄治郎代表(七一)が、荒れた休耕田を何とか活用、子どもたちの遊べる場所に出来たら…と、地域に呼びかけ、約二十人で会を立ち上げた。


 同市には地域住民の緑地整備活動を支援する「市民緑地制度」があり、これを活用。市が所有者から土地約二千平方bを借り、同クラブが維持・管理する形で、昨年一月下旬から整備を始めた。


 「ここには自然がある。人工的な公園にしないで、自然を守る形にしたい」がポリシー。作業は業者に任さず、メンバーが重機を使って掘り起こしたり、草を刈ったり、土を入れるなど手作業。ビオトープづくりの経験はないが、各地を視察したり、本で調べるなどをして造った。


 だが、二十年も人の手が入っていなかったため草は人の背丈まで伸び放題、地面はぬかるんだ状態と作業は難航した。


 それでも鈴木利子さん(七二)は「思ったより大変だったが、みんなと交流しながらの作業は楽しかった」。村木幸夫さん(六六)は「完成した時、こんなにきれいになるとは思わなかった。今となれば夏の暑い中の作業も忘れてしまいました」と話す。


 昨年の八月に完成。この記念イベントには家族連れでにぎわい、泥んこになりながらも子どもたちは楽しそうに水遊び。秋には畑でサツマイモを収穫。焼き芋にしてほおばった。


 メンバーで前自治会長の種瀬吉彦さん(七一)は、「今の子どもたちは家の中でゲームばかり。いい自然体験になったと思う」と目を細める。


 ザリガニは以前からいたが、生き物もあえて放流しない。トンボが舞い降りて卵を産んで…という自然のサイクルを守る。


 春休みには、伐採した竹を使った竹炭焼きのイベントを計画。ただ焼くだけでなく、歴史やどうやって焼くのかなども教えていくという。


 手平代表の話


 自然を守りながら、これからもいろいろイベントを展開。地域の子どもたちにもっと自然を体感してもらいたいです。


H20.2.27 第305号

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