人気呼ぶ手作り人形劇団「竹とんぼ」
活動20年で500公演超


 二十年活動を続ける鈴鹿市の人形劇団。公演回数は五百回を超え、幼稚園や小学校、福祉施設、公民館などで地元の昔話などを中心に演じている。小道具から舞台まで、すべてみんなの手作り。身近な物語をわかりやすく伝え、子供から大人まで幅広い年代の人気を集めている。     (江川 智恵)


 同市江島町のアマチュア人形劇団「竹とんぼ」は、昭和六十一年に元・保育士の高橋富美子代表(64)が、「子供にかかわり続ける活動をしたい」と立ち上げた。劇団名には、呼ばれたらどこにでも飛んでいけるように━という思いを込めた。


 当初のメンバーは高橋代表の友人ら女性六人。毎週木曜、代表の家に集まり、練習や打ち合わせを。「地元に伝わる昔話を子供たちに伝えたい」と、郡山地区や石薬師など、市内に伝わる民話を人形劇で演じてきた。


 人形などの小道具から舞台まで手製。立体的に見えるように、発泡スチロールに新聞紙・和紙を張って木を作るなど、細部にまでこだわっている。


 県内の幼稚園や福祉施設などで公演を重ね、和やかに歌を歌うなど、世代に合わせた内容が人気を呼び、公演回数は次第に増えていった。


 また、平成九年には香川県で開かれた国民文化祭にも県代表で出場。十二年前から所属する中村秀美さん(50)=同市玉垣町=は「人形になりきって声を変えることで、違う自分になれるのが楽しい」と魅力を話す。


 このほど同市の玉垣公民館で、二十人の親子に稲生地区の昔話「ももひきに化けた狸」を披露。童謡・チューリップなどを交えたり、子供からの問いかけに答えるなど、十人の団員はアドリブを利かせながら約一時間、みんなを楽しませた。


 母親の紀子さん(35)と参加した南出遥ちゃん(5つ)、笙汰君(1つ)=同市上箕田=は「初めて人形劇を見たけど、わかりやすい話だったし、一緒に歌も歌えた」と話していた。


 高橋代表の話




 幼い子には、わかりやすく話を膨らませるなど、見る人の世代に合わせた工夫をしています。反省会も兼ね、発表後に食事に行くなど、仲が良いのが長く続けられた秘けつの一つ。見る人の笑顔と「また来てね」の言葉を励みに、公演回数六百回を目ざして頑張っています。



H19.8.8 第298号

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