女将の感性≠ナ湯の山温泉PR
おもてなしの心を結集


 「湯の山温泉をもっと知ってほしい」「もっと盛り上げたい」そんな思いを胸に、昨年夏、温泉街の旅館や売店、飲食店の女将(おかみ)たちが立ち上がった。女性ならではの感性≠ナさまざまな企画を展開。温泉街の活性化を目ざし積極的に取り組んでいる。


 三重郡菰野町にあるこの温泉は、標高千二百十二メートルの御在所岳ふもとに位置。約千二百年以上の歴史ある県内屈指の温泉地。


 近年の不況ムードを打破するため、旅館街の女将たちは、昨年八月、女将の会「きらら」=西田厚子会長(寿亭、ホテル湯の本)=を結成。▼おもてなしの向上▼温泉街の魅力の再発見などを目的に、同会を立ち上げた。


 このきっかけは、西田さんが「湯の山について意見交換をしよう」と五、六軒の旅館に声をかけて懇談会を。参加した伊藤寿美子さん(38)=鹿の湯ホテル=と矢田麻里子さん(34)=蔵之助=らが「勉強会として定期的に集まるのはどうだろうか」と提案したことから。


 そして、湯の山に寄りそってたつ雲母峰(きららみね)を、女将の姿に見立てて会名にした。


 メンバーは十八人。月に一度例会を開き、おもてなしの心を形に企画。すべての活動を「きらら計画」と呼んでいる。


 初めに取り組んだは「町民入浴無料の日」という催し。訪れたお客から湯の山に対するアンケートを実施。その声と町民の意見を元に活動の資料を。さらに観光名所蒼滝≠ネどの清掃を通じ、自然の美しさと保護を改めて知ったという。


 一方、地元の素材を使った特産品「真菰(まこも)」を季節限定として全館で料理提供。地元酒造会社の協力でオリジナルの酒も完成させるなど、積極的に活動。


 今年は、大阪への観光PR。その時に出会った「南勢女将の会」とも交流会を。互いの活動から多くの刺激えを受けたという。


 このほか、手づくり季刊誌や観光マップの作成。四季のイベントで甘酒などのふるまいも。


 「多くの人のおかげで、湯の山全体が活性化。互いに支え合い、情報交換ができ、毎日が楽しくなりました」と女将らは話す。


 西田会長の話


 おもてなしの基本を忘れず、五年、十年の先を見据えて活動しています。



(木下 英里)


H19.7.11 第296号

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