「ございしょ自然学校」オープン
カモシカセンターを継承
自然や環境保護促進へ再出発


 昨年十一月末、惜しまれながら閉園した、御在所岳山頂の「日本カモシカセンター」が先月、財団からNPO法人へ管理・運営が移管され、「カモシカセンターメモリアル ございしょ自然学校」としてオープンした。これまでの役割を継承、新たな視点≠ナ、自然や環境保護などに向けてスタートを切った。 (内田 敬子)


 同センターは昭和三十五年、「鈴鹿山系かもしか保存学術研究会」として発足した。カモシカに関する研究機関とともに、世界でも類を見ない博物館・動物園として注目されてきたが、赤字経営や建物の老朽化などでセンターの閉園と財団の解散が解散へ。


 「歴史ある施設が、終わってしまうのはもったいない。続けられる方法はないか」と、センターや御在所ロープウエイの職員らの声でNPO法人の立ち上げが決まった。


 さる二月に認可を受け「特定非営利活動法人 自然学校みえ」を設立、理事長に子安和弘氏が就任した。


 事業は、閉園したセンターの施設管理を受託と▼自然環境に関する展示、教育、調査研究、提言、出版▼自然環境の保全や再生に関する啓発、情報提供▼野生動植物の生息環境の保護管理▼野性傷病鳥獣の保護管理―など。


 自然学校は入場無料で、毎週土・日曜日と祝日、夏休み期間中などの特定日に午前十時三十分から午後二時まで開館。


 今月末までは「鈴鹿の山」にスポットを当て、写真家・水谷のりやさんの写真を展示。山に魅了されて撮り続けてきた中から、三十点を選定。B0判という大きなものも。


 ゴールデンウイークには、水谷さんの来場や炭焼き体験などの催しも開催。今後も「ございしょの花」、「アカトンボ」など季節ごとにテーマを変えた展示やイベントを計画。ビデオギャラリーや図書館などの施設を充実していく。


 さらに毎週火曜日には、情報紙「カモシカからの便り」を発行。山上の天気・気温のほか、四季の移り変わりなどを発信。以前センターの「季節の便り」を担当していた市橋甫・名誉校長の連載も始まり、ロープウエイのホームページで閲覧できる。


 内山潔事務局長(二七)の話


 自然の魅力や楽しさばかりでなく、怖さや厳しさを含めた情報を幅広い年代に伝えていくことで自然≠守っていきたい。


h19.5.9 第293号

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