熱気球に挑戦“夢とロマン”を
四日市市の朝日ガス 競技の腕前トップレベル



 夢とロマン≠乗せて大空を散歩―。熱気球が飛ばせる県内唯一のエリア・鈴鹿地区でフライトシーズンが到来。四日市市西坂部町、朝日ガスの「バルーンクラブ」は、全国的に珍しい会社組織で活動するチーム。


業務の傍らで各地の競技大会に参加、地域の子どもたちに体験教室も。熱気球に魅せられ、その楽しさを多くの人に伝えている。


 プロパンガスなどを熱源に、暖めた空気で浮き、風に乗って目的地を目指すスカイスポーツ。LPガスの販売を手掛ける同社は、森祥和社長の発案で、十五年前にクラブを設立した。


 中心メンバーは約十五人。操縦士は常務でクラブ代表の中山吉男さん(56)はじめ五人。日本気球連盟のライセンスを取得した操縦歴十五年のベテランばかり。


 「当時は若手で、会社命令で北海道へライセンス合宿に行くことに。やっていくうちに好きになりました」と話すのは営業所の統括マネジャーでメーンパイロットの伊藤千広さん(40)。


 企業が社外の個人チームに協賛する場合が多い中、社員チームが会社を挙げて取り組んでいる。


 航空法の制限があるため、県内で飛行できるのは鈴鹿エリアだけ。人家が密集し、海と山が近いという難度が高い場所。鈴鹿川河川敷を拠点に技術を磨き、五年前から全国の競技大会へ。トップレベルにまで成長してきた。


 先月中旬、このエリアで国内シリーズ第三戦と「鈴鹿バルーンフェスティバル」が開かれ、多くの家族連れやアマチュアカメラマンでにぎわった。


 伊藤さんは「全国を転戦し、普段見れない景色や何百機と浮かぶ風景に感動。気の合った仲間との絆もうれしい」とも。


 一方で、子どもたちに熱気球を知ってもらおうーと、小学校での出前授業をしている。仕組みの説明や体験搭乗に興味津々の様子。年間十校の予定だが、珍しさからか申し込みが殺到しているという。


 総務課長の川村敦さん(45)は「これをきっかけにご家族で応援してくれることがあり、企業としても親しみを持ってもらえ、PR効果は絶大」と笑顔。


 広報を担当する三重郡菰野町宿野、オアシスミルクロード店長の水谷誠也さん(49)は「子どもからお年寄りまで、見れば皆、笑顔が出るバルーン。気球界のナンバーワンを目指して頑張りたい」と話していた。


(福家 明子)



H18.10.25 第285号

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