H18.06.28 第279号発行分

・三重高野球部寮支えて約20年
・大切にしたい生と性
・乳がん健診受診を呼びかけ
・インターハイに向け練習に熱
・シニア用ギターを開発
・「リペアムゲル」でノーパンク
・県内各地で海岸清掃奉仕
・桜の苗木を県などに寄贈
・コンクール表彰や検診など
・「医学・福祉・科学」総合の地域医療を
・主役に生田真理さん 今秋上演の菰野町民劇 「八重姫」キャスト発表
・鈴鹿市の長谷川八壽雄さん 日展彫刻の部審査員に
・「悠遊好房遊」が初作陶展
・伝統文化を後世に 久居 書画と木目込み人形展
・ほのかな香りに包まれ 県ばら会中勢支部 松阪で「春のばら展」
・念願の赤いスイートピー誕生


三重高野球部寮支えて約20年
“球児”を世話する前川さん家族
 高校球児の青春ドラマー夏の高校野球全国大会も間近。都道府県の野球部員は、甲子園出場めざして猛練習に励んでいる。過去八回、甲子園へ出場している名門校・三重高。その部員寮を約二十年間守り続け、親元を離れて暮らす部員の食事や、生活面の面倒を見ている“球児の母”とその家族。「もう一度、甲子園へ」の熱い願いを込め、親身の世話が続いている。

 この人は松阪市久保町、前川美知留さん(68)。下宿業をしていた知人から話を聞いたのがきっかけで、昭和六十年、農業を営む夫隆さん(73)と始めた。

 自宅敷地内にある二階建て十三部屋の「育誠寮」は当初、大学生用だった。同部の同市駅部田町、中田和男監督(55)の依頼で、自宅が遠方で通学が大変な部員のための寄宿舎になったのが十七年前。

 美知留さんの仕事は、朝食の支度から始まる。寮生を学校に送り出した後、弁当を作って届け、買い出しも。昼に一息ついたのもつかの間、掃除や夕食の準備に取りかかる。午後八時過ぎ、練習を終えて帰宅する寮生を待って後片付けするという忙しさ。

 心身共に成長する元気な高校生。苦慮することもしばしばあった。「ご飯を山盛り五杯食べる子がいましてな」。三十`の米が二日ほどでなくなった。備長炭で浄化した飲料水を用意したり、食事の栄養バランスや量を好みに合うように考えたり。帰りが遅いのを心配することもあれば、規律を乱す寮生を隆さんがしかったときも。

 しかし、「嫌と思ったことはなかった。若い子の一生懸命な姿は喜びでした」と話す。

 試合には夫婦で応援に駆けつける。甲子園に出場したときは「自分の息子が出とるような気持ちで勝利を祈ったもんです。仕事のえらさも忘れる」という。

 時どき、寮を巣立ったOBが訪ねる。進路や就職の報告を聞くのも楽しみの一つ。

 前川さん夫婦を“第二の親”と話すのは高校時代を寮で過ごした同町の沖田展男さん(27)。同校教諭で、同部部長を務めている。

 「当時は人数も多く、二台しかない洗濯機を取り合うように、順番待ちの列ができました。洗濯が身に付き、今でも自分でします。上下関係が厳しく、食堂に集まってプロ野球を見るのが唯一の楽しみ。おばちゃんに背番号を縫い付けてもらったことを覚えています。いい経験をさせてもらった」と感謝の声も。

 現在は六人と少なめ。初めて空き部屋ができ、陸上部員が共に生活する。隆さんは管理から離れ、長男の明士さん(36)と近くに住む長女、中林芳子さん(46)が加わった。「頑張ってほしい。また大勢になってくれたら」と期待していた。

 寮長の中村浩樹主将(三年)は、北牟婁郡紀北町の出身。「洗濯物をすぐためてしまうが、社会に出る前に一人暮らしの練習になっています。寮に入って親のありがたみを感じた。今年が最後だし、ぜひ甲子園に行きたい」と、日焼けした顔をほころばせた。



大切にしたい生と性
「国際助産師の日」県大会開く
 助産師の仕事や命について考える「国際助産師の日」県大会が、このほど津市の県総合文化センターで開かれた。

 県看護協会(山口直美会長)の主催。先月五日は国際助産師連盟(ICM)が定めた「国際助産師の日」。これに合わせた催しで、今年で十四回目。

 鈴鹿市で開業する足立裕子さんら現役の助産師が、経験を基に“命の素晴らしさ”について講演。会場では、新生児と同じ大きさの人形を抱いたり、重りが付いた上着を着る妊婦体験の各種コーナーが設けられ、親子連れや医療関係者が来場した。

 同協会のM地祐子助産師職能委員長は「性交渉による感染症の予防などを書いた冊子を作りました。中高生の皆さんに向けて、性の大切さも呼びかけていきたい」と話していた。



乳がん健診受診を呼びかけ
あけぼの会三重支部 学習会と街頭啓発
 乳がん体験者でつくるあけぼの会三重支部(伊勢市中之町、小野節子支部長)は、このほど津駅前のアスト津で術後リンパ浮腫についての学習会を開いた。

 手術後に足や腕がむくむなど、リンパ浮腫で悩む人が多く、「予防と治療に役立ててもらえば」と、初めて行った。

 二十人の参加者は、発症を防ぐマッサージ法のビデオを見ながら熱心に学んだ。

 また、同駅前と同市の都ホテル前で、会員十四人が「マンモグラフィ検診を受けましょう」「毎月一回、自己検診」と書かれた八百個のティッシュを通行人へ配った。

 会員の度会郡南伊勢町、竹内真百合さん(49)は「四年半前の検診車受診で病気がみつかった。年齢を問わず、早期発見のため受診して欲しい」と呼びかけていた。

 七月一日には松阪シティホテルでおしゃべり会を開き、症状の悩みなどを話し合う。

 詳しくは小野支部長=TEL0596(25)3426へ。


インターハイに向け練習に熱
県内唯一の津東高女子フェンシング部
 津市一身田上津部田、県立津東高校(伊藤博和校長)・女子フェンシング部が、春の全国選抜大会に初出場し、インターハイ予選で優勝するなど活躍している。

 県内唯一の部で、六年前から福田るり子顧問が指導。六人の部員は皆、高校入学時からフェンシングを始めた。

 キャプテンの田頭奈津希さん=三年=は、先輩に勧められ入部。放課後の練習では、独特の動きを身振り手振りで後輩に教えていた。

 八月三日から七日まで、京都府の大山崎町体育館で開かれるインターハイに五人が出場。本番に向けてフットワークや練習試合に励んでいる。

 個人・団体の部に出場の米田菜美さん=三年=は「当日は緊張せずに楽しんでプレーしたい」と話していた。



シニア用ギターを開発
国産の木とナイロン弦使用
 各地でギター教室を開いているエイムミュージックスクール(事務局・津市大門)の赤井薫代表(50)と岡田正道講師(50)が、このほど高齢者向けのギターを開発した。

 同市をはじめ、鈴鹿市、伊勢市などで高齢者を指導。「弦が固くて手が痛い」などの声を聞き、独自のギターを考案。クラシックギター専門メーカー・松岡ギター(名古屋市)の協力で一年かかって完成させた。

 弦はナイロン製で柔らかく、ネックはコードが押さえやすいように細い。ボディーに国産の木を使うなど、材質にもこだわった。

 モデルタイプは「永夢・光」(八万五千円)と、マイクを内蔵した「永夢・星」(十二万五千円)の二つ。予約受け付けで生産する。

 二人は「元気なシニアの後押しになれば。第二の人生を楽しく快活なものにしてください」と話していた。

 TEL059(245)4678。



「リペアムゲル」でノーパンク
津市 マイクルαで取り扱い
 津市南中央のマイクルαは、このほど自転車がパンクしない「リペアムゲル」の取り扱いを始めた。

 合成ゴムとオイルで作った熱可塑性樹脂。加熱で溶かしたゲル素材を、空気の代わりにタイヤチューブに注入して固まらせる。これまで導入していた発泡ウレタン樹脂とは違い、耐久性があって乗り心地も変わらないという。ゲルは再利用できる。

 一本四千五百円だが、パンクしやすい後輪に最適。通勤・通学利用者や「空気を入れる手間が省ける」と利用する人も。

 水谷一郎店主は「ガラスの破片などが落ちた災害時にも使えるので、一家に一台おすすめです」と話している。

(問)TEL059(228)5462



県内各地で海岸清掃奉仕
「町屋百人衆」や中電社員ら
 県内各地の海岸で、住民や学生、企業による清掃奉仕活動が行われている。

 津市栗真町屋町の住民グループ「町屋百人衆」は、八年前から近くの町屋海岸を清掃。当時は砂浜まで車が乗り入れできたため、ごみが山のように捨てられ、「このままではいけない」と年五回ほど清掃。今回は三重大生五十人も参加、百五十人体制で収集をした。

 空き缶のほかに、タイヤやバイクの一部分など通常では考えられないものも。それでも大河内忠幸会長は「きれいな海岸にして後世に残していきたい」と話していた。

 一方、中部電力津電力センターは、宮本憲繁所長をはじめ三十人が昼休みを利用して同市の阿漕浦海岸を。

 これまで六月の環境月間に合わせて津お城公園を清掃してきたが、今回は海と渚環境美化推進機構(東京都)「マリンブルー21」の呼びかけに協力した。

 流木よりも花火やバーベキューなど、不始末のごみが多く、三十分間で約二十五袋のごみが。

 ある職員は「釣りでよく海に来るのでごみには気を付けてます。心ない人が多いのに驚きです」と話していた。



桜の苗木を県などに寄贈
三重トヨペット  グリーンキャンペーンで
 「街を咲かそう」をスローガンに、昭和五十一年から中日新聞社を介して続けている恒例行事。今年は創立五十周年を記念して、ハイブリット車を購入したお客からの賛同分を合わせた二百二十七本を県へ、同社の拠点数と同じ二十三本を幼稚園へ贈り、通算三千本になった。

 式典は、同市内の大川幼稚園の園児有志約四十人も参加。川喜田久・同社社長は「環境へのマイナス要素を減らし、プラス要素を増やすことを会社のある限り、続けていきたい」とあいさつ。従業員とお客からの善意約十万三千円も「緑の募金」へ寄付された。

 このあと園児代表や緑の大使・服部若菜さんとともに記念植樹、日本カモシカセンター(三重菰野町)による環境劇があった。



コンクール表彰や検診など
松阪の歯科医師会が歯の健康まつり
 歯の衛生週間に合わせ、松阪地区歯科医師会(吉田昌夫会長、会員百六人)と松阪市はさる四日、同市子ども支援研究センター周辺で「2006歯の健康まつり」を催した。

 平成元年から歯と口の健康を呼びかけている行事。子ども、親子、七十歳以上を対象にした歯のコンクールの表彰式や検診コーナーなどがあり、家族連れなどでにぎわった。

 このうちインプラントコーナーは初企画。人工歯を植えつける同技法の紹介や検診・相談を受け付けたほか、歯科衛生士コーナーでは磨き方の指導や口腔内をカメラで見ることができ人気だった。各部門最優秀は次のみなさん。

 ▼良い歯の児童生徒=加藤あげは(鎌田幼年長)、中山胡桃(朝見小六)、平野芽生(久保中三)

 ▼図画ポスター最優秀賞=小川翔吾(小野江小二)、竹岡知奈美(伊勢寺小六)、山中綾子(久保中三)

 ▼歯っぴいライフコンクール・最優秀賞=小柳マツ子(七三)▼親と子のコンクール=森井章子・星(多気郡大台町)



「医学・福祉・科学」総合の地域医療を
太陽福祉医科学研究所理事長、さわやかクリニック院長 川原田嘉文氏と対談
現代医療の問題点≠ネどに提言
 三重大学医学部第一外科教授、伊賀市立上野総合市民病院院長などを歴任した川原田嘉文・同大名誉教授(六九)が、松阪市若葉町の太陽福祉医科学研究所理事長、さわやかクリニック院長に就任して二カ月。アメリカ留学や、第一線で活躍した豊富な経験と知識を生かし、医学―福祉―科学を総合した新しい「地域医療」に取り組んでいる。長年にわたり生と死≠ノ向き合ってきた体験。その中に川原田哲学≠フような現代医療への問題点と提言が、対談の中に感じられた。
 (聞き手/本社社長 藤原 貞雄  カメラ/企画担当 内田 敬子)

<トレーニング制度など医大生の統一教育システム構築が必要>

 ―太陽福祉医科学研究所・さわやかクリニックは、地域医療などに期待されています。その目的と方針についてお聞かせ下さい。

 川原田 ここが第三の人生です。伊賀市立上野総合市民病院で五年働き、管理職として残る道もありましたが、今年二月に社会福祉法人・太陽の里、鈴木齊理事長から「残るより、喜ばれる所へ行ったらどうですか?来てもらいたいという所に行かれたら…」と話があり、ここへ来させてもらいました。

 研究所は私が医学、鈴木理事長が福祉、理事長の長男で同法人の鈴木清嗣本部長が科学。介護と医学を合わせたネットワークが出来たらと始めました。

 例えば、介護現場で入所者が体調を崩したとします。看護師はいても医者は委託でそばにいない。このように困った時、ネットワークで医師責任者へ伝達して応対するなど、医学と福祉を合わせた新しいものを作りたいですね。

 クリニックは、昔いろいろと鈴木理事長にお世話になりましたのでご恩返しのつもりです。私はもともと三分間、五分間の診察が出来ず、十五分以上取っています。ここでゆっくりと患者さんを診察して、相談にのりたいのです。日本式の診察室、アメリカ式の相談室、理事長室の三つを備えて頂きました。

 ―現代医学の基礎的な存在ですね。問診では、うまく症状を伝えられない人もいます。多くの患者さんを、ベルトコンベア式に診察していては見落としもあるでしょうし、長時間待っている患者さんにとってストレスにもなると思います。

 医師のモラルや医療ミスも問題に。人間の、限界ぎりぎりまで挑戦する外科医のハードな仕事、看護師体制など、いろいろなことが重複しているようですが…。

 川原田 ハードである外科、産婦人科、小児科の医師になる人が少なくなってきていますね。国民がニーズを作っているのです。

 医学制度ですが、日本はアメリカのインターン制度だけを受け入れましたが、失敗に終わり、その代わりに新しい研修制度だけが取り上げられたのが大きな問題と思います。

 研修とインターンはほぼ同じで、その後の卒業教育として四〜六年ほどのトレーニング、つまりレジデント制が必要なのです。二年だけの制度ですから、全国的な卒業後のトレーニングの制度が決まっていないので、医学教育の制度が崩壊につながっていくと思います。

 また、「博士号」を取りたいという人が少なくなって、専門医になりたい人が増えてきたことが、大学に戻らなくなった大きな理由です。国で「臨床科」と統一した卒業教育システムをつくっていないため、そこが大きな問題であると思います。

<健康保険の感知を>



主役に生田真理さん

今秋上演の菰野町民劇
「八重姫」キャスト発表
 菰野町民演劇実行委員会(南川忠義代表)は、今秋上演する創作時代劇「八重姫」のキャストを発表。本番に向けてけいこを始めた。

 郷土史を題材に、演劇文化を広めるためで一昨年に続いて二回目。今回は菰野藩初代藩主の正室で、織田信長の孫娘・八重姫を。子どもに恵まれず、側室が懐妊したという姫の若き日の涙と笑いを描いた。

 さる一月からキャストを公募、約二十五人の中から生田真理さん=鈴鹿市=が主役に。脚本は杉山和寛さん=亀山市=が手がけ、今月から脚本に沿った練習。

 公演は九月三十日午後二時、六時三十分、十月一日午後二時の三回、同町民センターホールで。前売り券は千五百円で販売中。

 (問)TEL059(394)1451



鈴鹿市の長谷川八壽雄さん
日展彫刻の部審査員に
県内でただ1人の栄誉輝く
 鈴鹿市寺家の元教職員・長谷川八壽雄さん(七五)は、このほど県内でただ一人、日展彫刻の部の審査員に選ばれた。

 洋画を描いていたが、小一の時に死去した父親が木彫をしていたので「自分もやってみよう」と昭和三十三年、県展に初出品し努力賞を。

 当時審査員だった片山義郎氏(故人)から「面白い作品を作るから本格的にやってみたら」と勧められ、同氏に師事し、仕事をしながら作品づくりに励んだ。

 以後、日展では入選二十回、特選二回で、日展委嘱の招待作家に。また県展、鈴鹿や津などの市展審査員を務めたほか、県立美術館建設にもかかわった。

 審査員十七人の中に選ばれ「念願だったのでうれしいが、責任も感じる。まずは自分の作品を恥じないようしっかりしたものにさせたい」と話していた。



 「悠遊好房遊」が初作陶展
日本文化知りたい アメリカの若者も出品
 津市大谷町、赤塚敬一さん(64)が主宰するグループ「悠遊好房」の作陶展が、このほど同市のあのつ画廊で開かれた。

 初めてのグループ展で、花瓶やお茶席での茶碗、絵皿、囲碁を楽しむ河童の置物など、多彩な三百点が展示され、一部は即売も。

 赤塚さんは、陶器作りの奥深さに惹かれ、三十年前から趣味で陶芸を始めた。定年退職後、同級生らと四年前にグループを結成。
 悠々と遊びながら作陶を楽しむのが目的。メンバーは八人で、うち四人はアメリカの若者。

 「陶芸を習いながら日本の文化を知りたい」と赤塚さん宅の工房で月四回ほど作品づくり。ユニークな発想がみられた。



伝統文化を後世に
久居 書画と木目込み人形展
 津市久居、多門志風さん(70)が主宰するグループ墨の美研究会・墨志舎の「遊墨・書画展」、真多呂人形・風の会の「木目込み人形作品展」
 が、このほど同市のポルタひさいで開かれた。

 両会員の日ごろの作品を合同で展示したもので、今年で五回目。百十点が会場を飾った。

 水墨がは風景が中心。人形は平安時代の人物を表現したものが多く、伝統文化の活性化を目指している。

 多門さんはサラリーマン時代、趣味で油絵や水彩画を独学で始めたが、やがて墨の世界≠ノ魅力を。五十代には日本画・田村清風さん に師事。定年退職後に芸術家として本格的に活動を始めた。

 今は津日本画会の会員でもあり、津市久居や松阪市の公民館で水墨画講師も勤めるなど、活動している。

 「伝統文化を普及させ、多くの人に参加してほしい。若い世代にも伝統の良さを知ってもらいたい」と話していた。



ほのかな香りに包まれ
県ばら会中勢支部 松阪で「春のばら展」
 三重県ばら会中勢支部の「春のばら展」が、このほど松阪市殿町の同市公民館で開かれた。

 毎年、春と秋の二回あり、今年で五十七回目。コンテスト形式で、一種三花の部、一花の部、鉢植えの部に分かれ、百五十点を展示。優 秀作品には松阪市長賞などが授与された。

 会員同士が作品を見せ合い、栽培技術の向上と研究につなげるのが目的。赤や黄色、桃色や紫といった鮮やかなバラが並びほのか甘い香 りを漂わせていた。

 中勢支部代表の山口省吾さん(75)は、「芽が出て、成長していく姿を見るが楽しみ。さらに良いものを育てたい」と話していた。



念願の赤いスイートピー誕生
伊勢市の中川さん 栽培始めて18年の結晶
 伊勢市上地町、スイートピー直売店の中川猛さん(54)が、新種の赤いスイートピーの栽培に成功。今年から市場に出荷し、人気を集めている。

 花が好きで、同市の生花市場に勤務していた時、かわいい花に魅せられ、十八年前から栽培している。

 従来は赤といっても濃く黒っぽい。「歌にあるような純粋な赤色を生み出したい」と、濃いピンク色を掛け合わせて研究した。

 鮮明な赤い花が咲かず、あきらめかけた三年前、一本だけきれいな赤色の花が。今では千株まで増え、咲き始める十二月に向け、種の採取に励んでいる。

 「長いツルを下ろしたり、ヒゲを取ったり手が掛かる。真っ青な色も生み出したい」と、話している。




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