H17.1.11 第272号発行分

・社会で活躍する犬たち
・新年も意欲的に始動 洋画家の谷岡経津子さん
・自慢の愛犬をモデルに
・オートリサイクルセンターが稼働 鈴鹿
・広瀬久美子さんが講演 福祉・家事援助サービス推進大会
・エゴマの良さを紹介 津市の「ユリカ」も講演会
・大道芸で手品を披露 マジカル京さん ワールド杯出場目ざす
・うたまろがメジャーデビュー
・託児所「ピッコロ」でクリスマス会
・紀州犬のはく製を公開 県立博物館 賞歴ある「美鬼秀号」も
・自然を芸術で保存
・折り紙で四季を表現
・200回記念危機管理研究フォーラム 池宮、佐々、松田氏が鼎談「戦争と私」
・吉田、荒川さんが受賞 三重大学出版会 日本修士論文賞授賞式
・手作りたこを大空へ
・「須賀利」の魅力を撮影
・健康願い「とそ」作り いつきのみや歴史体験館
・2足歩行犬が街頭に
ガイドヘルパー養成講習会


社会で活躍する犬たち
優れた嗅覚・聴覚を発揮
犯罪捜査や人命救助で貢献
 今年は戌(いぬ)年。犬と“人間のかかわり”は六万年前後とも言われ、祖先はオオカミという説が有力。約千二百年前、弘法大師(空海)が二匹の犬を連れ、高野山へ行ったという話も残っている。ペットとして飼われているほか、人間の三千―一億倍優れている臭覚や聴覚を生かした警察犬、盲導犬などがいる。犬の持つ忠実さは、人との深い信頼関係と愛情で結ばれており、犯罪捜査や人命救助などで社会に役立つ活躍をしている。

 警察犬は、大正元年に警視庁がコリーを取り入れたのが始まり。当時は広報的な役割だったが、犬の持つ能力に注目して昭和十五年、東京都品川区に犬舎を設けて飼育・訓練を始めた。三重県警では、昭和四十一年に嘱託犬四頭でスタートさせた。

 嘱託の任期は一年。毎年四月に開く「三重県警嘱託警察犬審査会」で足跡追及、臭気選別、警戒の項目で審査。今年は二十一頭と候補犬六頭が合格した。ほとんどがシェパード。二歳から七歳が多く、飼い主の中には二十回以上も警察犬を送り出している人もいるという。

 「犯罪者が逃走した」「家人が家に戻ってこない」などで、警察犬が必要になった時に出動の要請がかかる。県警本部刑事部鑑識課現場係長・伊藤晶敏警部補(45)は「普段会う時とは違い、現場では神経を集中、“黙ってて!”の意思表示も。不明者などを見付けた時は、ホッとすると同時に、犬の能力のすごさを再認識します」と話す。

 昨年十二月一日現在の年間出動計は三十八回。所在不明のケースが多く、四日市市であった外国人不法入国、亀山市の所在不明捜査でもお手柄を。管轄署長から感謝状が贈られた。

 津市河芸町三行の西村英治さん(44)は、警察犬訓練所を営みながら飼っているシェパードなど十回、警察犬として輩出している。

 高校を卒業後、京都の京洛警察犬訓練所へ入所。見習いを経て日本警察犬協会公認三等訓練士の資格を取得。以後経験を積み、平成四年に独立した。今は一等訓練士と、JKC協会範士の資格を持っている。

 家庭犬と同じように服従訓練から入り、その後は選別、足跡追及、警戒作業などの専門科目を訓練。二年連続で嘱託になっているキャシー号(雌・七歳)は、新年もいつもと変わらない規律正しい生活。毎日の健康管理と、根気良い指導が何よりも大切だという。 

 しかし、車での逃走や夏場のラッシュ時は、臭いが残りにくく難航。二十四時間、時間を問わずに出動要請が出るという苦労も。真夜中の捜査もあるが、それでも犬は使命を感じて張り切っている様子。さる六日にはキャシー号たち警察犬は、県警の視閲式に参加し、頼もしく行進した。

 一方、県内で活躍する盲導犬は十頭(昨年三月末現在)。介助犬だと全国で約三十頭しかいない。

 西村さんの話 

 群れで生活する犬は、ボス犬が若い犬へマナーなどを教えます。善悪の区別をはっきりし、統制を図る姿勢。生まれながら持つ母性本能を人間社会でも見習うべきです。



新年も意欲的に始動
洋画家の谷岡経津子さん
 元旦は、庭の青竹にたまった朝露で「えと」の水彩画を描き、新年のスタートを切った洋画家・谷岡経津子さん(63)=津市大谷町。昨年の第三十七回日展洋画部門で通算十回目の入選を果たし、このほど市内で記念のミニ個展を開いた。

 光風会会友。二十代から研さんを積み、近作では風景や花を通して人間模様や哲学を表現している。また四日市大学で美術表現などを教え、社会人向けに油絵も指導している。

 「日々を思い返して、皆に生かしてもらっていることに感謝。学生にもエネルギーをもらっています。初心に返って描いていきたい」と話している。

 谷岡さんの入選作品「鶏頭叢苑」は、二十五日から来月十九日まで、名古屋市・愛知県美術館で開かれる東海展に展示される。



自慢の愛犬をモデルに
素焼き粘土でえと作り
 今年はいぬ年。愛犬をモデルにした「えと・いぬ」の置物作りが、このほど四日市市本町、アトリエイズで行われた。

 愛着ある自宅のペットを用いることで、陶芸を身近に感じてもらえたら―と彫刻家の儀賀貴子さん(44)=同市本町=が指導した。

 六人が参加し、写真を基にテラコッタ(素焼き)粘土で約六時間かけて作成。伏せている姿や前足の筋肉、首のかしげ具合など、本物そっくりに仕上げた。

 作品は愛知県瀬戸市の母親の実家にある窯で焼いた。

 同市新々町、楠栞さん(15)は「高校受験を控えているので、合格の願いをかけたお守りとして家に飾ります」と話していた。


オートリサイクルセンターが稼働 鈴鹿
ディーラーなどが出資、設立
 「自動車リサイクル法」が施行されて一年。リサイクルの責任として電子マニフェスト制度が導入され、使用者が処理費用を負担するなど、「使用済み自動車」の扱いが変わった。

 昨年十一月からは鈴鹿市伊船町、協同組合三重オートリサイクルセンター(向井弘光理事長)が稼働。月間千台の作業を目ざしている。

 同組合は「自動車の街・鈴鹿市にリサイクル工場が必要」と、鈴鹿市と鈴鹿市商議所の要望で県内の自動車ディーラーなどが出資、組合方式で設立した。

 作業工程は、使用済み自動車からフロン回収とエアバッグを処理、ガソリン、オイルを抜き取る。その後手作業でリサイクルパーツを外して解体、さいころ状にプレスする。

 パーツはタイヤ、オーディオ、バンパーなどさまざま。今春からはこれらをインターネットで公開、販売する予定。

 市価の三分の一から二分の一の値段になるといい、リユース、リサイクル、リデュースの「3R」の推進につなげていく。

 工場内の団体見学も受け付けており、「将来は市内の本田技研、鈴鹿サーキットと合わせた自動車観光スポットになれば…」と関係者は話している。

 <問> 0593(71)6330



広瀬久美子さんが講演
福祉・家事援助サービス推進大会
 県シルバー人材センター連合会は、このほど津市の県総合文化センターで「福祉・家事援助サービス推進大会」を開催。会員ら約五百人が出席した。

 高齢者社会の中で、一層の社会貢献ができるよう意識高揚と“交流の輪”を広げるため平成九年から続けている。

 小畑廣次会長が「住民に信頼される組織でなければならない」など、現状や目標を話し、このあと元NHKエグゼクティブアナウンサー・広瀬久美子さんが「介護上手の胸の内」と題して講演した。

 広瀬さんは、夫の病気をいち早く発見した経緯から「家族の顔を見て会話することが、変化を見つける最大の武器。さらに情報を持つことで病気を重くしない、介護を大変にしないことができます」と話していた。

 また、会場には、各センターごとに活動内容を紹介したパネル展もあった。



エゴマの良さを紹介
津市の「ユリカ」も講演会
 県産業支援センターの平成十七年度・中小企業経営改革チャレンジ支援事業に採択された津市久居一色町のユリカは、これを記念してこのほど講演会を開いた。

 同社が藤田保健衛生大学(愛知県)と共同で開発した「エゴマ油における新技術」が評価されたもので、地域の農家ら約三十人が出席した。

 別府秀彦・同社社長が「メタボリックシンドロームを予防するエゴマ油」と題してエゴマのすばらしさを話し、続いて日本エゴマの会代表責任者・村上守行氏(福島県)が講演。

 「どこでも誰でも一人一アール作れば、約十キロのエゴマが作れます。これで一人当たりの年間必要量をまかなうことが出来ます。自給してエゴマの薫る里をつくりましょう」と、栽培方法とポイントを伝授した。

 このあと、エゴマを使ったパンや菓子、料理の試食をした。



大道芸で手品を披露
マジカル京さん ワールド杯出場目ざす
 「今年は、静岡で開かれる大道芸のワールドカップにぜひ出場したい」と話す津市長岡町、石崎京さん(66)は大道芸のスタイルでマジックを披露。「マジカル京」の名で年間約百四十回のパフォーマンスをこなし、県内外で活躍している。

 子どもの頃から超常現象や手品に関心があり、中学、高校時代にはプレイングカード(トランプ)で簡単な技を覚えた。本格的に知ったのは四十代後半。地元の公民館で開かれたマジック教室に通い、世界大会で審査員を務める瀬島順一郎さんに師事。平成十一年、鈴鹿サーキットで開かれた大会に初参加して準優勝。大道芸の世界を知るきっかけになった。

 カード、コイン、ロープ、ぬいぐるみなどさまざまな道具を使って演じ、マジックだけで大道芸をしている人は珍しいという。

 「マジックはお客さんと私の間で起きた“現象”を共に楽しむこと。体が動く限りは続けていきたい」と意欲を見せていた。

 津奇術グループの会長を務め、指導や公演も引き受けている。



  うたまろがメジャーデビュー
17日は津でライブ、18日にCD発売
 津市出身のフォークデュオ「うたまろ」が、十八日発売のシングルCD「いつかは笑ってうたえる悲しい歌」で東芝EMIからメジャーデビューする。

 加藤一輝さん(20)と小堀力さん(20)の二人組。市内の私立高校で同級生だった二人が、四年ほど前に結成。津駅前や四日市駅前の路上ライブが話題になり、これまでに二枚のシングルCDを発表した。

 昨年九月に行った初のワンマンライブでは、チケットが即日完売するほどの人気ぶりで、活動エリアを東海から関西地方まで広げてプロモーション中。

 発売前日には、津駅前ビル内の谷楽器チャム店でインストアライブをする。



託児所「ピッコロ」でクリスマス会
サンタさん登場に大喜び
四日市市シルバー人材センターが企画
 四日市市シルバー人材センター(四日市市十七軒町)は、このほど同市浜町の託児所・ピッコロでクリスマス会を催した。

 国・県・市が進める「高齢者活用子育て支援事業」の一環として、昨年度から育児サポーター養成講習を修了した会員が、施設内や依頼者の自宅などで子育て支援。同施設は市立保育園跡を借り、一昨年十一月に開所した。

 クリスマス会には、市内の親子約六十人が参加。みんなで手遊びをしていると、会員が扮したサンタさんが登場。一人ひとりにプレゼントを。このあと焼き芋を味わった。

 なお、同施設は託児依頼のあった時と毎週火・木曜日午前十時から二時まで開放している。詳しくはTEL0593(54)3670へ。



紀州犬のはく製を公開
県立博物館 賞歴ある「美鬼秀号」も
 戌(いぬ)年にちなみ、津市の県立博物館では三十一日まで紀州犬のはく製を公開している。

 日本犬の一種で、紀伊半島南部の山岳地方に生息、狩猟犬として飼育されていた中型犬。オオカミの血を引いたとも言われ、南牟婁郡御浜町坂本地区が発祥とされた「紀州犬物語」も残っている。

 頭部が大きく、太くて短い足、巻き尾などが特徴。昭和九年に国の天然記念物に指定された。

 県では、繁殖や保護をするため審査会を開催。昨年五月現在で七百三十一頭が登録されている。

 はく製は、雄・雌一頭ずつ。雄は品評会で賞歴があり、昭和四十八年に亡くなった「美鬼秀(みきひで)号」。



自然を芸術で保存
久居で「俳句と彩り展」盛況
 自然や風土を、俳句や絵手紙でつづった「第三回俳句と彩り展」が、このほど久居駅ビルのポルタ久居で開かれた。

 NPO俳句みえ(光野及道会長)の主催。一般募集の俳句、俳画、写真など約千五百点と近隣の小学校八校が授業で取り組んだ“はいく絵”を展示。その中から県知事賞や市町村教委賞など各賞が決まった。

 失われつつある県内の自然や風土を、芸術で残そうと呼びかけ、毎年各地で開催。作品の出来が年々レベルアップしており、今回は絵手紙が多かった。池田幸一・旧久居市長や茂山道治・旧久居市議会議長らも特別出展した。

 今年は夏ごろから作品を募集する。次回は桑名市で催す予定。

 光野会長は昨年九月、松尾芭蕉が中国に強くあこがれていたことから「俳句文化を輸出して広めよう」と日中友好芭蕉俳句会を結成。今年から本格的に始動するという。



折り紙で四季を表現
和紙の会が銀行でロビー展
 年末に作った「えと」の折り紙作品を飾り、新年を迎えた津市香良洲町、折り紙教室・和紙の会(二階堂黎子師範)は、このほど百五銀行香良洲支店に作品を展示した。

 赤、緑など原色の和紙や千代紙を使い、ひな祭り、こいのぼり、七夕など、四季折々の行事を表現。ロビーを明るく彩った。

 畳でできた色紙に張ったり、額に入ったものもあり、来客を楽しませた。

 出品者の同町主婦・福島あい子さん(46)は「今月は節分を題材に作りたい」と話していた。



200回記念危機管理研究フォーラム
池宮、佐々、松田氏が鼎談「戦争と私」
 二百回を記念する危機管理研究フォーラム(東海経済新聞社など主催)が昨年十二月五日、東京のホテルオークラで開かれ、作家・池宮彰一郎氏(82)と本社特別客員で元三重県警本部長・元内閣安全保障室長の佐々淳行氏(75)、前預金保険機構理事長・弁護士の松田昇氏(72)が「戦争と私」をテーマに鼎(てい)談した。

 昭和六十二年に始まった同フォーラムは二百回を迎え、昨年は太平洋戦争終戦六十年の節目。それぞれの体験を交えながら戦争の歴史、国家、戦争を知らない現代人へのメッセージなどを話した。

 経済人ら約二百人が出席。鼎談後は懇親パーティーで親交を深めた。

 (鼎談…三人で向かい合って話をすること)【東京支社】

 【要旨は次の通り】

 松田 池宮先生は旧満州で召集され、生還率百万分の一という第一線で壮絶な体験を。佐々先生は著書「六男二組の約束」で知られる元気な軍国少年。私は戦後、父母の看病と幼い兄弟の世話をしながら、外地から引き揚げた経験がある。

 池宮 今でも思い出すだけでつらく、話したくないのが本音。紙切れ一枚で戦争に引きずり込まれた。国家とは何か?「悪」です。人間の求めている幸せ「自由」や安楽を阻害して義務を課す。しかし制度、法律、防衛力を持つ以上「必要悪」といえる。

 佐々 百五十年の歴史を振り返ると、維新から五十年でロシアに勝ち、日清戦争、朝鮮侵略でも国家のエゴイズムが最高潮に。米英、中国と戦って四十年で元のもくあみ。そしてまた六十年で再建を遂げた。いつの時代も、日本の「戦争か平和か」という区切り方が問題。「戦争と平和」は同時進行。「戦争は血を流す政治、外交は血を流さない戦争」という言葉がある。本気になって備えが必要なのでは?

 松田 さきの大戦は国力から考えてするべき戦争ではないとわかっていたはず。なぜ始まったのか?現代の経営者がやったら背任罪。始めたリーダーは、自国に対する責任と処分も自ら決めるべきだったのではないか?

 池宮 リーダーシップとは想像力。軍人にはその想像力がない。命令のままに動くだけ。政治の実権を軍部に任せた時に、日本は想像力を失った。それが敗戦の原因。そんな人に実権を握らせた当時の政治家、国民全部の罪でもある。

 佐々 靖国問題について。国のために死んだ人の面倒は国が見るべき。年一回は追悼式を。靖国を宗教法人ではなく国家施設にしたら良い。歴代の首相は命令して人を死に追いやった。職業軍人は仕方ないが、招へいされた人は国がその死を永遠に祭るべき。内閣総理大臣は参拝すべき。八月十五日じゃなくてもいいけど、三百万人の命日をまとめてのこと。

 池宮 戦場で、敵と面と向かった時のこと。相手は明らかに殺意を持ち、「殺さなきゃ殺される」という自分の生存と存在価値をかけた体験を。「世の中には敵がいる」ことを忘れてはいけない。戦後の皆さんにはどうも欠けている。



吉田、荒川さんが受賞

三重大学出版会 日本修士論文賞授賞式
 二十代から八十代までの世代を超えた工芸家十三人が、このほど津市大門、あのつ画廊で三重・アート・クラフト・ハート展を開いた。

 人形、染織、陶芸など六分野に分かれ、一人三点ずつを出品。草木染めの着物や物思いにふけるおじいさんの人形など、幅広い作品が並び、来場者を感動させた。

 織物講師・岸本寿子さん(60)=同市白塚町=は、ウールを使って長さ2b、横幅一b二十aの大きな壁掛けを。

 短大時代に織物を専攻、日展にも二回入選した。アイデアが浮かばないと、焼物など他の分野の作品から色遣いや形のヒントを得、発想を広げたという。

 「互いに刺激し合い、今後も伝統的な技術で自分らしさを表現したい」と話していた。



手作りたこを大空へ
28日西黒部地区町民大会
 新春の風物詩・松阪市西黒部町民たこ揚げ大会が、二十八日午前十時から同市高須新田の櫛田川河川敷きモーターグライダー滑空場で開かれる。

 住民らによる実行委員会が主催し、恒例行事として十一回目。趣向を凝らした手作りたこで競い合い、近隣三町による大だこの町別対抗戦も。地区内外から約五百人が集まり、地域の活性化に役立っている。

 同市魚町の元大工、田中亀雄さん(70)は二畳半の江戸だこを。鮮やかな色使いと迫力ある武者絵で、毎年参加者の注目を集めている。

 幼い息子のために作り始めてから約三十年。以前は一日五時間、大きいものは半年かけて制作した。同大会には五年ほど前から出ているが「たこの特性上、揚げるのが難しいのでもっぱら観賞用」と話し、最新作を仕上げている。

 受け付けは午前九時三十分から。個人・団体の部は当日参加も可能。豚汁や甘酒の振る舞いのほか、多気郡明和町・北野だこの模範演技がある。雨天中止の場合は翌二十九日に行う。

 なお、西黒部公民館所有の「黒部だこ」復元版や田中さんの作品は、度会郡玉城町の「ギャラリー温」で二十五日まで展示されている。 問い合わせは西黒部公民館TEL0598(52)0020



「須賀利」の魅力を撮影
津市の北出さん 津と尾鷲で写真展
 今年も、尾鷲市須賀利の魅力をカメラに収めて新年のスタートを切った、津市白山町二本木の銀行員・北出正之さん(51)はこのほど、津駅前のギャラリーアスト1で写真展「須賀利からのメッセージ」を開いた。

 十八歳のころ、動植物や天体などの科学写真を撮ったのがきっかけ。ネイチャーフォトを中心に撮り続けたが、年を取るにつれ生活感ある自然さを追求するようになったという。

 仕事の関係で、百五経済研究所の冊子の表紙写真を担当。世界遺産・熊野古道を撮り、個展を開いたが、近くにある海の古道・巡航船が残る同地に迫ってみたいと撮影を始めた。 

 同所は熊野灘に面した奥湾にあり、人口約四百人の小さな町。昭和五十年代に県道が通じるまでは巡航船が唯一の交通機関という“陸の孤島”。今でも陸路では、紀北町を通って市街地に行くという行政上の飛び地。

 初めて訪れた時は何も感じなかったが、二、三回訪れてようやくいろいろなものが見え始め、一年間で二十一回足を運んだ。

 今回は尾鷲市共催、県紀北県民局の後援。一年間で撮った六×七判千二百枚からの五十七枚と、観光PR資料も展示。

 今月には尾鷲市で展示する予定。



健康願い「とそ」作り
いつきのみや歴史体験館
 一年の健康を願い、新年に飲む祝い酒・とそ作りが、このほど多気郡明和町、いつきのみや歴史体験館で行われた。

 二十人が参加、県薬剤師会・中村能承さんの指導で平安時代の文献「延喜典薬寮式」を参考にして古代のとそを復元。用いる薬草の効能などを学んだ。

 薬草の香りが漂う中、参加者は朝鮮ニンジン、甘草などの十九種類を汗だくになりながらすりつぶし、約二十四時間、日本酒に漬けて完成させた。

 小沢寿満子さん(67)=津市八町=は「かぜ予防につながるなど、改めて先人の知恵を実感。健康に過ごせるよう家族で飲みます」。浅井哲朗さん(49)=名古屋市=は「味も香りも昔から大好き。今後は自分で調合し、正月以外にも飲みたい」と、それぞれ楽しそうに話していた。 



2足歩行犬が街頭に
年末交通安全運動 児童らと一緒に横断
 後ろ足で歩き、人気を集めている松阪市外五曲町、日本ユニバース観光・小山貴美夫社長(53)方の愛犬、「プルート」=トイプードルの雄、四歳=が、先月中旬に津市鳥居町の交差点で“交通安全”に協力した。

 年末交通安全運動の一環で、津署の警察官、地域交通安全活動推進委員と共に街頭へ。

 「交通安全」のたすきを掛け、横断歩道の信号が青になると立ち上がって歩き出し、通学時の児童と一緒に渡った。

 三重大学教育学部附属小学校に通う上野紗希さん(7つ)、瀬戸舞香さん(7つ)は「信号を守り、後ろ足であんなに歩けるなんてすごい。私も見習って交通ルールを守ります」と話していた。



ガイドヘルパー養成講習会
来月28日から開講の受講生を募集中
 介護労働安定センター三重支部(津市栄町)は、来月二十八日から開講する身体障害者移動介護従業者(ガイドヘルパー)養成講座講習会の受講者を募集している。

 ガイドヘルパーは一般的に視覚障害者、全身性障害者の外出時における移動などの介助をする資格。さる十一月に終了した同講習会には、介護現場で働く職員ら三十九人が受講、スキルアップに役立てている。

 対象は、介護福祉士、ホームヘルパー1、2級取得者。2月28日から3月3日までの4日間、社会福祉士によるガイドヘルパー制度と業務についての説明、理学療法士、歩行訓練士から介助法などの講義と実習で学ぶ。全日程修了者は県知事登録される。

 受講料25895円。定員40人。

 申し込み・詳細はTEL059(225)5623へ。


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