“食の安全"が脅かされている昨今、三重の名産・松阪牛は、消費者の信用を第一に考えた取り組みがされてている
▼以前、松阪市高町の華王殿で「食べて知って松阪牛」と名付けたPR事業があった。五年前から実施する「松阪牛個体識別管理システム」を広めるもので、同市の主催。メディア関係者・約二十五人が参加した
▼BSE問題や偽造事件などで、消費者の不信感が高まる中、安全・安心に重点を置いた取り組み。松阪牛商品に張られているシールの個体識別番号を、松阪食肉公社のホームページに入力すると、その牛の肥育から出荷までの情報がわかる。どこで生まれ、どのようなえさを食べて育ったか、血統、農家情報などが画像付きで見られ、携帯でもアクセスできる
▼シールの発行費用は一枚五十円。これは業者側が負担しなければならず、商品全体に普及していないという問題点もある。同市農林水産部水産課・岡本良博畜産係長は「最高のブランドは消費者の信頼からなる。徐々に浸透しているが、商品にシールが張ってあって当たり前になるよう、より一層推進していきたい」と話していた
▼また輸入牛、乳用牛、黒毛和牛との食べ比べもあり、香りや味、霜降りの違いを主張した
▼何が信用できるか分からない現代。私は、輸入牛以外はどれもおいしく感じたが、本物か偽物かをしっかり確認、それを見極める知識を身に付ける努力も必要と思った。
記者 江川 智恵