極楽くわがた



クワガタの部屋も作りました。
クワガタはあまり養殖されていませんし、
繁殖もけっこう難しいと思います。
幼虫は成虫になるまで2年以上かかります。
カブトムシに慣れてから挑戦してください。
ただし、自宅で椎茸を栽培している方は、
椎茸のほだ木を利用して、簡単に繁殖ができます。

クワガタは大きなアゴでケンカします。
大型の個体を一緒に飼うと、
ケンカで寿命を縮めることになります。



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・クワガタいろいろ

実はクワガタという昆虫はいません。かっこいい名前がついています。
まあ、セミだって、バッタだって、トンボだっていないのですが。
まずは私の家の近くで捕まえたクワガタを、写真入りで紹介します。

・ヒラタクワガタ

暖地系のクワガタなので寒い地方では小さく、
暖かい地方では大きな体になるようです。
越冬するので何年も飼うことができます。そんなに飛びません。
オスもメスも真っ黒で羽に光沢があります。
繁殖は簡単ですが、メスを見分けるのが難しいです。
全クワガタ中、指をはさまれるともっとも痛いクワガタだと思います。
私が一番好きなクワガタです。

・コクワガタ

小型ですが越冬でき、何年も飼うことができます。
繁殖方法はノコギリクワガタとほぼ同じですが、
成虫になる時期は夏のようです。
朽ち木の中で羽化するので繁殖は簡単です。私も何度か成功しています。
臆病なので人の前ではあまり飛ばないのですが、
暗くなってから、静かで誰もいない時にはぶんぶん飛びます。
小型なので木の穴に隠れて樹液を吸っていたり、
木の根元の土に潜っていたりします。
羽はほとんど真っ黒で光沢がなく、X68000のような色をしています。
夏が終わりに近付くと多く見られます。

・コクワガタ

つがいのコクワガタです。
産卵用の朽ち木に穴を開けて、
その中に潜んでいます。
写真ではわかり辛いかもしれませんが、
X68000のようにツヤ消しの黒色です。


・ミヤマクワガタ

高温や乾燥が苦手なクワガタです。
繁殖は腐葉土でできますが、かなりの技術が必要です。
ノコギリクワガタに近い形をしていて、大型でかっこいいクワガタです。
他のクワガタと違って、日中でもたくさん捕まえられます。
オスは羽に短い毛が生えていて茶色っぽく見えます。
そして日中からやたらと飛びます。
それに対してメスの羽は真っ黒でツヤツヤ、あまり飛びません。
三重郡では見かけますが、四日市市では見かけません。

・ミヤマクワガタ

クヌギの木を登っているオスです。
手で抱え切れないほど大きなクヌギで、
樹液がどこに出ているのかさえ、
よくわかりませんでした。
三重県三重郡菰野町にて撮影。


・オオクワガタ

オス、メス共に羽に光沢があり、もっとも大型のクワガタです。
越冬するので何年も飼うことができます。
私は見たことはありますが、捕まえるどころか、
さわったことすらありませんので、性質について詳しい説明はできません。
繁殖は難しいのですが、マニアの手で技術的に確立されています。
三重県四日市市で一カ所だけ、オオクワガタがいる木を知っています。
残念ながら写真が撮れるような場所ではありませんが、
オオクワガタは、気に入った木から移動しないので、
懐中電灯を持って、覗き込むだけならいつでもできるのです。

つがいはアラカシの根際の大きな穴の中に住んでいます。
木は大人二人の手で抱えられないほどの大きなアラカシで、
根際(地面から1mほど)の大きな穴にはすみかとえさ場、
それに幼虫のエサまでそろっています。
1997年8月22日午後10時、私が様子を見に行くと、
木にピンク色のヒモが巻かれていました。木を伐採する印でしょうか。
伐採されるのなら、捕まえて写真を撮りたいのですが。
手が届かないほど大きな穴の中ですから、どうしようもありません。

・その他のクワガタ

私が見たことがない普通のクワガタは、ヒメオオクワガタ、オニクワガタ、
スジクワガタ、アカアシクワガタなどです。
三重県四日市市にはいないのかもしれません。

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・ノコギリクワガタ

子供に一番人気のクワガタといえば、やっぱりノコギリクワガタでしょう。
私はノコギリクワガタの繁殖に挑戦しています。
・ノコギリクワガタ

つがいのノコギリクワガタです。
産卵用の朽ち木に止まっています。
メスはコクワガタと同じ形をしていますが、
羽が赤いことで区別できます。


オスもメスも少し赤みがかっていて、光沢がありません。
メスを見分けるときには便利な特徴です。
夕方から早朝にかけてよく飛びます。
大型の個体と小型の個体では、歯の形がずいぶん違うので、
地方によっては別の名前で呼ばれています。
三重県四日市市(のごく一部というか地元)では、
小型のノコギリクワガタを「ジャクノバ」とか呼ばれていました。

大型でかっこいいクワガタですが、繁殖はちょっと難しいです。
幼虫は白く腐ったドングリの朽ち木を食べて育ちます。
山で探してもいいのですが、椎茸を栽培した朽ち木がそのまま使えます。

産卵用の朽ち木を作ります。
朽ち木をプラケースの大きさに合わせて切り、数時間、水に漬けておきます。
朽ち木が充分に湿ったら、プラケースに入れてノコギリクワガタを飼います。
朽ち木が少しづつ砕かれているようなら、順調に産卵が行われています。
乾燥しないよう、ときどき霧吹きをしてください。
メスが死んでから約2か月、そのまま管理します。

産卵から2か月ほどしたら幼虫を割り出します。
幼虫は朽ち木の中をモグラのように食べ進むので、
おがくず状の糞が詰まった坑道を目印にしてください。
一組のつがいで10匹以上の幼虫が得られます。
この幼虫をもっと大きな朽ち木に移します。
人間のスネくらいの大きさの朽ち木に1匹が目安ですが、
小さな朽ち木がぼろぼろになった頃に、
次の朽ち木を用意しても大丈夫だと思います。
朽ち木に小さな穴を開け、その穴に幼虫を入れれば、
勝手に潜り込んでいくはずです。

幼虫はサナギになるために蛹室を作るので、湿った土が必要です。
サナギは秋に土の中で羽化するのですが、秋冬の間は外に出て来ずに、
政治問題や社会情勢などについて考えています。
室内で飼育していると、季節を間違えて外に出てくることがあるので、
屋外に近い、なるべく寒い所に置いて管理します。
何度も書きますが、飼育している環境では、
朽ち木も土も乾燥しないように注意してください。

春になって暖かくなると、成虫は外に出てきます。
いつ出てくるか待つのは面倒という方は、
暖かくなったら取り出せばいいでしょう。

・クヌギの木

この木にクワガタがいると思い、
車を横づけしたのですが
クワガタは一匹も見当たりません。
そこで木の根元を手で掘ってみました。
すると・・・。

・クワガタ

捕まえたばかりのクワガタです。
1本のクヌギの木に、15匹のコクワガタと、
1匹のノコギリクワガタがいました。
撮影後にノコギリクワガタ以外は、
すべて逃がしてやりました。
三重県四日市市鹿間町にて撮影。


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