極楽かぶとむし



季節限定のページを作ってみました。
夏の虫といえばやかましく鳴くセミですが、
昆虫の王様といえば、やっぱりカブトムシです。
私は魚捕りや虫捕りが大好きなので、
夏の玄関にはカブトムシが飾ってあります。

・カブトムシ

説明しなくてもわかると思いますが、
左がメス、右がオスのカブトムシです。
ヤナギの樹液を吸っています。
三重県員弁郡北勢町で撮影。



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・カブトムシを捕まえよう

まずはカブトムシを捕まえないと話になりません。
夜型の人(たとえば漫画家とかプログラマ)なら、
山に行かなくても捕まえられますよ。

(1)木で捕まえる

カブトムシは樹液をエサにします。
それなら樹液を出している木を探せばいいですね。
カミキリムシに食い荒らされたドングリか、ヤナギの木がおすすめです。
こういう木は、傷口からおいしい樹液を出しています。
そんな木を探し出して捕まえるのが、基本的な捕まえ方です。

・樹液に集まる昆虫

このような樹液の出るところには
たくさんの昆虫が集まります。
左はカナブン、右はカブトムシのメスです。
木は柏餅の葉っぱで有名なカシワです。
兵庫県氷上郡市島町で撮影。

・ミヤマカミキリ

ヤナギの木が大好物のカミキリムシ。
カブトムシに負けないほど
大きなカミキリムシです。
三重県員弁郡北勢町で撮影。


では、どのようにして木を探せばいいでしょう。
私が使う手は以下のような方法です。
山道をうろうろして、クヌギ林を探します。
クヌギは他のドングリと違って特徴が多いので、
覚えてしまえば遠くにある木でも見分けがつきます。

・クヌギの樹形

クヌギはドングリにしては
すらりとした樹形をしています。
慣れると300m離れたクヌギの木でも、
わかるようになります。
人の手で植えられていることも多く、
高速道路の入り口などでも見かけます。

クヌギ林にたどり着いたら、カナブンやスズメバチを探します。
彼らも樹液が大好物ですから、後を追いかけて樹液の出る木を探すのです。
クヌギ林で耳を澄まして、木々のざわめきから、羽音を聞き分けましょう。
最初は大変ですが、樹液が出る木の場所さえ覚えれば、
たくさんのカブトムシが捕まえられます。

・発見した樹液

このような場所はなかなか見つかりません。
昆虫の嗅覚にたよる方が簡単です。
写真では見えませんが、カブトムシばかり
1匹のオスと3匹のメスがいました。
木はクヌギです。三重県四日市市小牧町で撮影。


(2)外灯の下で拾う

カブトムシは明かりに集まる性質を持っています。
真夜中に外灯の下を探せば、カブトムシが転がっています。
カブトムシが好む明かりは水銀灯のような、紫外線の多い明かりです。
なるべく白っぽい強烈な明かりの下を探してください。
自販機は明るく見えるのですが、虫の好む光を出さないようになっています。
林に近くて、近くに明かりが少ない場所に、
ポツンとある水銀灯が一番いいのですが・・・。
あ、そうそう。注意点が一つあります。
お酒を飲んで車ででかけないこと。
駅や外灯の下でカブトムシを拾っている姿はとても怪しいので、
おまわりさんに出会えば、まず間違いなく職務質問されます。
夏祭りや盆踊りがあるの日は特に注意しましよう。


(3)罠で捕まえる

傷んだメロンやモモを山や外灯の近くに置くと、カブトムシが寄ってきます。
ちなみにスイカの皮では、あまり寄ってきません。
バナナも使えます。もちろん傷んだバナナを使います。
ジャムのように腐る果物が好きみたいです。
八百屋で何か買って、カブトムシ用に傷んだメロンかモモをもらいましょう。
夕方に仕掛けて翌朝に見に行くといいでしょう。
アリが来ないような仕掛けをして、日陰を選んで置いておきます。
ちょっとだけ酢や酒をかけておくとより効果的です。
黒砂糖や酒、酢を鍋で煮詰めて秘伝のエサを作り、
それを木に塗って・・・という手もありますが、ちょっと手間がかかります。

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・カブトムシ探しの練習

それではカブトムシを探す練習です。
日中のカブトムシ捕りならディスプレイを明るく、
早朝のカブトムシ捕りならを暗くしてください。


[慣れた人] ...慣れた人向きのカブトムシ探し

[壊れた人] ...はまった人向きのカブトムシ探し

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・カブトムシを飼う

なるべく大きな透明プラケースに、
ほんの少しだけ湿らせたおがくずを入れて飼います。
もし卵を産ませて幼虫まで・・・と考えるなら、
おがくずよりも園芸店に売っている腐葉土を入れます。
エサはリンゴの芯がおすすめ。
スイカの皮はあまり栄養がない上に、水気が多いのでおすすめできません。
ケースは家でもっとも涼しいところに置きます。
うちは玄関に飾ってあります。

もっと豪快に何百匹というカブトムシを育てたいなら、
栄養分の多い堆肥を畑に積み上げるといいでしょう。
稲わらや麦わらを積み上げて、1年くらい風雨にさらしておけば、
いいエサになります。
古い椎茸のほだ木を砕いて積み上げたり、
オガクズに野菜クズなどを混ぜた堆肥なども使えます。
腐敗臭のない堆肥ならたいていえさとして使えます。

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・幼虫を飼う

カブトムシが産卵したら、水気を切らさないように飼ってください。
産卵直後の卵は細長いのですが、日数がたつと水分を吸って球形になります。
・カブトムシの卵

産卵して一週間ほど経過した卵で、
大きさは約3mmです。
翌日には孵化して幼虫になりました。
幼虫は1か月で小指ほどに育ちます。

腐葉土を思い切り握ると、水が一滴落ちる程度が理想です。
カブトムシの卵ごと握りつぶしたりしないように・・・。
卵は一週間もすると孵化し幼虫になります。
カブトムシの幼虫が食べた後の腐葉土はとても上質な土です。
花壇に入れるといいですよ。
翌年の春まで時々、腐葉土を交換しながら飼います。
ゴールデンウイークくらいに、最後の腐葉土を入れます。
底に粘土質の土を敷き、その上に腐葉土を置きます。
幼虫は土の中に部屋を作ってサナギになり羽化します。
運が良ければプラケースの側面に部屋を作って、
踊化や羽化する様子を観察できるかもしれませんよ。
ところで、サナギは絶対にさわってはいけません。
羽や角の曲がったカブトムシになっちゃいますよ。

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・カブトムシで遊ぶ

カブトムシはオスとメスで構造が違います。
ツノがあるかないかは常識ですが、それ以外にも違いがあります。
オスは羽がつやつや、メスは細かい毛が生えています。
オスは足も違います。オスの足はすらりとしていますが、
メスの足は太くてトゲが多くツメも鋭いです。
そういえば、私の彼女もそうです。

あ、カブトムシで遊ぶんでしたね。みんなで何か賭けをしてください。
賭けに負けた人はメスを鼻にとまらせます。
とまらせた後、そのカブトムシを取るかどうかは本人の自由です。
カブトムシが顔の端まで歩くまで我慢し、それからカブトムシをどけるか、
それとも、くすぐったさに耐えられず、手で取ろうとすると、
はうっ、ふうっ、ふひゃ、へっへっへ・・・。
一度、お試しください。無理やり取ると流血モノです。
どっちもくすぐったいのと痛いのとどちらがいいですか。

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虫捕りが得意なプログラマ... koh@inetmie.or.jp