EMボカシの話


うちでは生ごみを畑に埋めていました。
しかし生ごみをそのまま腐らせると、べたべたで悪臭がひどく、
とてもカブトムシの餌にはなりません。
そこで巷ではやっている(?)EMボカシを使ってみました。

いや、ホントにEM菌はすごいですよ。
何がすごいかは、以下をどうぞ♪

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・ボカシとは

 ボカシというのは養分の多い有機物を発酵させて肥料にしたもの、
 EMボカシというのは、生ごみをEM菌によって発酵させたものです。
 めちゃくちゃ荒っぽい言い方をするとこんな感じです。
 EM菌というのは、沖縄琉球大学の比嘉博士(?)が、
 世界救世教の連中と一緒になって売り込んでいる菌のことです。
 比嘉君によると、水質浄化、土壌改良、体力増進、
 あげくの果てに校内暴力にまで効果があるそうで、素晴らしい発見です。
 土にEM菌を練り込んで焼き上げた壷は、EM菌が死滅しているはずですが、
 EM菌の波動が残っているなどとぬかしていました。素晴らしい。

 私の住んでいる三重県四日市市の近くでも変なやつを見かけます。
 三重県鈴鹿市の某工務店はEM波動の家なんてものも売っていたりして、
 やつらは狂っているとしか思えません。
 もしこのページをオウム真理教の方が読んでいるようでしたら、
 カルマ落としに比嘉君をひとつよろしく。

・ボカシのウソ

(1)畑に入れるとすぐに土に還る。

 生ごみをボカシにすることで分解が早くなるといいます。
 比嘉君が言うには、土に埋めてから一週間で分解されるそうです。
 でも、そんなことはありません。
 キャベツの芯などはほとんどそのまま残っています。
 もしかして比嘉は刺し身とか、焼き肉ばかり食べていて、
 キャベツの芯なんかが生ごみに混じっていないのかもしれません。
 野菜や果物の場合、包丁で切っても生きていますから、
 ボカシの容器で乳酸菌漬けにして殺せば分解が早いという程度。
 そもそもボカシの容器で保存している間も分解は進んでいるわけで、
 それも計算に入れたらほとんど変わりません。

(2)匂いがない。

 生ごみを密封した容器で乳酸発酵させると、悪臭はある程度抑えられます。
 しかし抑えられるといっても、うまく発酵させるには技術が必要です。
 動物性の生ごみが多いときは、うまく発酵させないとひどい悪臭がします。
 ただしぬかみそやくさやの匂いを悪臭と感じない人には、
 悪臭がしないのかもしれません。
 もしかしたら比嘉君は蓄膿かもしれません。

(3)植物がよく育つ

 ボカシを埋めた畑では、作物がよく育つようになるそうです。
 当たり前です。だって腐った生ごみですから。
 別にEM菌のおかげでよく育っているわけじゃありませんよ。
 うそだと思うなら、加熱してEM菌を殺したボカシを使ってください。
 まったく同じ肥効がありますよ。
 ああ、ごめん。EM菌を焼き殺しても波動が残っているでしたっけ。
 そうか。波動か。まったく比嘉君はすごいや。

(4)液肥の効能

 ボカシが発酵すると、容器の底に生ごみから出た水分がたまります。
 これを比嘉君は液肥と呼んでいます。うまいこといいますね。
 たしかに腐汁なんて呼ぶよりはいい感じ(笑)。
 この液肥を排水口に流すと、排水口のぬめりや匂いを抑えられるそうです。
 やつらはEM菌のおかげでぬめりがとれるとぬかしますが、
 それは液肥が強い酸性なのでぬめりがとれただけでしょう。
 そもそも腐汁を排水口に流すというのは納得がいきません。

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・ボカシ写真集

・ボカシの容器

ボカシの容器は、下部に蛇口がついています。
ここから生ごみから出た液肥を排出できます。

・発酵前の生ごみ

ボカシの容器に入れた生ごみです。
匂いを抑えるためには、容器の底と上部に
果実系の生ごみを入れるといいでしょう。
これで容器いっぱいというわけではなく、
これからさらに生ごみを投入します。


容器いっぱいの生ごみを一ヵ月ほど発酵させると、
底から水分が抜けて約半分の量になります。
空の容器に生ごみを入れ始めてから容器いっぱいになるのに半月、
そこからさらに一ヵ月発酵させ、畑でさらに何ヵ月もかけて堆肥にします。


・カブトムシの幼虫

生ごみで作った堆肥をエサにして、
カブトムシの幼虫を飼っています。
幼虫を飼育している容器は衣装ケースです。

・カブトムシ処理後

このようにひじょうに良質の堆肥ができます。
匂いはありませんし、糞そのものが粒状なので、
とても扱いやすい肥料となります。
ボカシってすごいですね(笑)。


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・ボカシを成功させるために

比嘉君のいう方法は、糖蜜を入れる(あほか)とか、
高いEM菌を入れる(これを売りたかったのか...)とか、
お金がかかってしかたがありません。
そこで自己流ですが、金のかからないコツみたいなものを紹介します。

(1)生ごみの水分を飛ばす。

 生ごみの水分を少しでも減らすために、
 野菜くずなどは三角コーナーではなく、別の容器に入れましょう。
 茶殻は手で絞ってから、西瓜の皮などは入れない。
 こんなに手間をかけること自体、ばかばかしいことなんですが。

(2)生ごみを砕く。

 生ごみはなるべく小さく切って入れましょう。
 投入した生ごみをフライパン返しで突ついてやると、
 生ごみを砕くことができますし、よりたくさん詰め込むことができます。

(3)米ぬかを入れる。

 使っているボカシ菌が米ぬかでなければ、米ぬかを混ぜるといいようです。
 極端な話、ボカシ菌がなくても米ぬかを使うことで乳酸菌が発生し、
 ボカシと同じような効果が得られます。
 あ、こんなこと言っちゃ比嘉君に申し訳ないですね。
 米ぬかだけを使う場合、乳酸菌による発酵が遅いので、
 容器の底にたまった水分を上からかけてやるといいでしょう。
 米ぬかを入れ過ぎるとぬかみその匂いになりますが...。

(4)生ごみ処理機を使う。

 乾燥型の生ごみ処理機を使って、生ごみを乾燥させます。
 それでボカシを作ると最良です。
 乾燥させた生ごみは畑の隅に積み上げ、
 雨避けのシートをかけておけば、そのままでもいい堆肥になります。
 あ、だったらボカシにする必要なんてないのでは...
 それは気づかなかったことにしてください。

(5)ネギ類を入れない。

 最初から臭いものはボカシの容器に入れないようにします。
 たとえぱ、ネギ、タマネギ、ニンニクなどです。
 これらはうまく発酵させたとしても、腐敗臭の原因となります。

(6)その他。

 ボカシの容器を初めて使うときは、底に果物くずを入れます。
 また容器がいっぱいになってふたをするとき、
 一番上に果物くずを置くようにするとといいでしょう。
 果物の缶詰を食べて残った甘い蜜をかけるのもおすすめです。

 動物性の生ごみを減らし、果物の生ごみをたくさん入れれば、
 果実酒のようないい香りのボカシも作れるのですが、
 肥料分が少なくなるので、あまり良質なものではありません。

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