讀賣新聞・「いのち」(医療を考える)


 讀賣新聞の「医療ルネサンス」で、医療情報公開という非常に重要なテーマが取り上げられており、関心を持って読んだ。

 医師の多くは、医療情報をあまり公開したがらない。その理由として「むやみに情報を公開すると、患者さんが混乱する」という人が多い。だが、それが正しいのなら、我々市民が行政に関する情報の公開を求めるのも、お門違いということになる。

 医療情報は、医師が自ら進んで公開するべきだというのが、私の持論である。すべてを知れば、一般の患者さんはかえって困ることがあるかもしれない。例えば、心臓病や脳卒中の原因にもなる「高コレステロール血症」。成人病の一種なので一般的にはコレステロール値の厳しいコントロールが必要と言われているが、米国には「男性三十五歳以下、女性四十五歳以下では検査の必要なし」という研究報告もある。

 素人では判断できないから医師にすべてを任せたい-というのも結構だ。しかし、患者さんが医師と情報を共有し、議論したうえで本人が最良と思う治療を選択するのが、これからの医療のあるべき姿だと思う。

 私自身は、医療の情報公開を普及させるべく、インターネットのホームページを開設、痴ほう症の検診の案内や海外を含めた最新の情報を掲載している。医師のこのような試みが広がり、患者さんが必要な情報を自由に手にできるようになることを願っている。

 ホームページのアドレスは、

  http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/


(讀賣新聞・「いのち」:平成9年2月8日掲載)