痴ほう症薬 4薬・承認取り消しへ

 再評価「効果なし」!


 脳循環・代謝改善剤の再評価のための審査を続けてきた中央薬事審議会(厚相の諮問機関)の調査会は、審査対象となった五成分のうちの四成分についで「有効性が認められず、承認取り消しが必要」との結論をまとめた。臨床試験で「効果あり」とされた残りの一成分については、試験データに疑義があるとして継続審査になった。十五日タ、上部審査機関の特別部会に報告し、特別部会も了承する見通しだ。これにより、効果に疑問がささやかれながら、効能外の老人性痴ほう症に広く使用され、総額計八千億円の売り上げを記録した薬が市場から消えることが確実になった。

 4薬(アバン、エレン、セレポート=アルナート、ヘキストール)は、薬理作用のない乳糖などで本物の薬そっくりに作った偽薬(プラセボ)と効果を比較する臨床試験の結果、実際の薬もプラセボも有効率は30%台にとどまり、効果の差がでなかったという。

 一方、臨床試験でプラセボより効果があったとされたニセルゴリン(「サアミオンー田辺製薬)については、@臨床試験の参加者数が二百人弱で、他の薬(四〜五百人)に比べて少ないAプラセボの有効性が10%台(他の薬は30%台)で、際立って低いB意欲低下、情緒障害など個々の判定項目ではプラセボと有効率は変わらないのに、総合判定では「プラセボより有効」となっているなど、臨床試験のデータに疑問点が指摘された。 

(参考文献:平成10年5月15日 朝日新聞・社会)

 

私の感想

 「プラセボの有効性が10%台(他の薬は30%台)で、際立って低い」、「意欲低下、情緒障害など個々の判定項目ではプラセボと有効率は変わらないのに、総合判定では“プラセボより有効”となっている」という報告内容を見ると、サアミオンも風前の灯火のようですね。サアミオンはアメリカなどでも随分評価の高い薬なのですが・・・。

 ちなみにドラガノンの二重盲検比較試験(対象:285例の脳梗塞後遺症患者。全国118施設で行われた。期間は12週間)の有効率は、全般改善度でドラガノンが36.0%(プラセボ:23.0%)でした(ドラガノン=150例、プラセボ=135例)。

 

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