■臨床診断基準
著者はDLBDを通常型と純粋型に分類した.通常型DLBDは初老期・老年期に発病し,進行性の皮質性痴呆を示す.
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皮質下性痴呆 痴呆はもともと大脳皮質の広範な病変によって起こるもの(皮質性痴呆)であるが,1970年代の前半から進行性核上麻痺やHuntington病のような皮質下の諸核の変性を主体とする疾患でも特有な痴呆が起こることが注目され,それが皮質下性痴呆とよばれ,皮質性痴呆の対概念として知られるようになった.その特徴として,@失念,A思考過程の緩慢化,B感情と人格の障筈(無感動,抑うつ,興奮発作),C獲得した知識を巧みに使う能力の障害などがあげられている.なお,Parkinson病にみられる痴呆も皮質下性痴呆と考えられている. |
初期にはしぱしぱ生々しい具体性を帯ぴた幻視やそれに左右されてでてくる二次的な被害妄想を伴い,ときにうつ状態を示す.経過中にせん妄を示すことも少なくないし,しぱしぱ認知機能の変動を示す.種々の大脳巣症状を示すこともある.そのうちに筋固縮や寡動を主とするパーキンソニズムが加わることが多いが,パーキンソニズムがめだたない症例もある.他方,パーキンソニズムで初発し,PD(パーキンソン病)の経過中に皮質性痴呆を示す症例もある.
一方,純粋型DLBDでは,40歳以下の若年に起こることも,初老期以降に発病することもある.若くして発病する場合にはパーキンソニズムで発病することが多く,若年性PDと診断されることが多いが,後に皮質性痴呆を伴う点が特異的である.初老期以降の発病例では通常型DLBDと同様に,進行性痴呆が主体であることが多く,パーキンソニズムも多かれ少なかれ出現してくる.
ここで,第1回国際ワークショップのDLBの臨床診断基準を示しておく.
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DLBの臨床診断基準 1. 正常な社会的または職業的機能に障害をきたす程度の進行性認知機能障害の存在.初期には記憶障害がめだたないこともある.また、注意や前頭皮質機能や視空間機能の障害がとくにめだつこともある 2.つぎの中核症状の2項目がある(1項目では“疑い”) (a)注意力や意識清明度の変動 (b)鮮明な再発性幻視体験 (c)特発性のパーキンソニズム 3.DLBを支持する特徴 (a)繰り返す転倒 (b)失神 (c)一過性の意識障害(一過性意識喪失) (d)抗精神病薬への過敏性 (e)系統的な妄想 (f)幻視以外の幻覚 4.可能性の少ないもの (a)局所性神経徴候や画像で裏づけられる脳卒中の存在 (b)臨床像を説明しうる身体疾患や他の脳病変の証拠の存在
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上記を要約すると、アルツハイマー病に似た進行性痴呆を呈しながら、早期から幻視やせん妄を生じ、自律神経症状やパーキンソン症状が出現するものの多くが、従来はパーキンソン病・アルツハイマー病と診断されていたが、実は「びまん性Lewy小体病」という病気であるという報告なのです。
本症の治療上の問題点として、抗精神病薬に過敏に反応して著しい運動機能低下を起こしやすいこと、逆にパーキンソン病治療薬により幻覚やせん妄を起こしやすいことであります。