学習・記憶能力を高めてボケ予防を期待するには、できるだけDHAが豊富な魚を食べたいものです。そこで、DHAを多く含む魚を紹介しておきましょう(かっこ内は、その魚肉1OOグラム中に合まれるDHAの量)。マグロ(2877ミリグラム)、プリ(1785ミリグラム)、サバ(1781ミリグラム)、サンマ(1398ミリグラム)、ウナギ(1332ミリグラム)、マイワシ(1136ミリグラム)、ニジマス(983ミリグラム)、サケ(820ミリグラム)、アジ(748ミリグラム)、アナゴ(661ミリグラム)などです。
DHAの摂取量は、一日500〜1000ミリグラムが理想的です。先ほどの含有量から換算すると、マグロは17〜34グラムでプリは28〜56グラムでとることができます。DHAはとりすぎてもほとんど害はなく、副作用の心配も全くありません。したがって、一日に一回、先に述べた魚を一人前(100グラム前後)食べれば、十分にとることができます。ただし、食いだめによる持続効果は期待できないので、毎日、食べつづけることが大切です。
(相模中央化学研究所・矢澤一良 氏)
P20〜21:松葉はアセチルコリンの生成を盛んにする
アセチルコリンとは、神経伝達物質(脳の神経細胞から神経細胞へ情報を伝えていく物質)の一種で、特に記憶に関係の深い物質です。ボケが進んだ人は、脳内のアセチルコリンが著しく減少しているという報告があります。
このアセチルコリンは大豆、卵黄、レバー、麦芽などに多く含まれるレシチン(リン脂質の一種)から作られます。レシチンが体内で分解されてコリンという物質ができ、さらに酵素(体内での化学反応を促進する物質)が働いてアセチルコリンになるのです。このアセチルコリンの生成が松葉をとると盛んになることが、最近、動物実験などでわかってきました。
(徳島大学助手・村上光太郎 氏)
P32:アルツハイマー病は増えている
東京都が一九九五年に行った調査では、都内の六十五歳以上の一二三人(男性四四人、女性七九人)のボケの患者さんのうち、アルツハイマー型のボケは四三・一%、脳血管性のボケは三○・一%と、アルツハイマー型のボケが明らかに増えています。
一九八七年に行った調査では、脳血管性のボケが三一%、アルツハイマー型のボケは二三・七%だったのですから、その増加がいかに大きいかがわかるでしょう。アルツハイマー型のボケはそれまで日本に少なく、アメリカやヨーロッパに多いとされていましたが、東京都の結果はそれを大きくくつがえすものでした。
(わかさ研究班)
P38〜39:「レシチン」は1日1個の卵で補える
卵一個分(五○グラム)の黄身(卵全体の約三割)には、約1.5グラムのレシチンが含まれています。一日にとりたいレシチンの量は1〜2グラムです。つまり、卵一個で一日の摂取量を十分にまかなえる計算になります。
一方、ビタミンB12は卵の黄身100グラム中に2.4マイクログラム含まれています。卵一個分の黄身には約0.36マイクログラム含まれていることになります。ビタミンB12の摂取量は一日1〜2マイクログラムですが、卵のほかにも、動物性食品の多くに含まれており、バランスのいい食事をしているかぎり欠乏症にならないといわれています。
この点から考えると、毎日卵を一個食べていれば、レシチンもビタミンB12も摂取量は十分でしょう。レシチンもビタミンB12も熱には強いので、生で食べる以外にも、卵焼き、目玉焼き、オムレツなど、調理に工夫して毎日食べるといいでしよう。たまにはビタミンB12が多く含まれているレバー(肝臓)を一片程度食べると、さらに十分になります。
(福山大学教授・鹿山 光 氏)