老年期痴呆の診断・治療・かかわり方


 55歳の時アルツハイマー病と診断されたダイアナ・フリール・マクゴーウィンは自らの著書「私が壊れる瞬間」(中村洋子訳、DHC出版)の中で発病時のすさまじい状況と混乱の日々について赤裸々に記しています。

 痴呆の程度は、改訂長谷川式簡易知能評価スケールで、軽度、中等度、やや高度、そして非常に高度と4段階に分け、定期的に測定し経過を評価します。

私の解説

 定義上は、改訂長谷川式簡易知能評価スケールの20点以下は痴呆、21点以上は非痴呆ですが、この評価方法は当然ながら安全性も考慮して決められております。「20点以下から痴呆」として痴呆症の治療を開始しておりますと、初期アルツハイマー病は見逃され、治療の好機を逃してしまうことにもなりかねません。アルツハイマー病も客観的マーカー(点眼試験、アポE採血など)が登場してきた今、この評価スケールはそろそろ見直しの時期かもしれません。

 しかしこの表を見ていただいてもわかりますように、19.10+5.04=24.14・・・従って改訂長谷川式簡易知能評価スケール24点以下は、痴呆症の可能性有りと考えて、我々痴呆症専門医は治療に当たる必要があります。

初老期痴呆

 初老期に発症した痴呆患者さんの剖検例1108例中アルツハイマー病は642例(58%)、ピック病は191例(17%)、クロイツフェルト・ヤコブ病は62例(6%)という報告があります。

アルツハイマー病・3つのタイプ

 アルツハイマー病には3つのタイプがあります。1つ目は、穏やかな痴呆としての単純痴呆型。2つ目は、自己中心的で猜疑心が強く、妄想などいろいろな症状を呈する活発なコルサコフ型。3つ目が、言葉の壊れの目立つ超皮質性失語型です。 

(参考文献:月刊保団連・平成9年7月号、豊和麗病院・田中勝也院長)

私の感想

 よくアルツハイマー病患者さんは、自分自身では痴呆を自覚していないから幸せだ!と言われますが、これは進行したアルツハイマー病患者さんのことであり、極初期のアルツハイマー病患者さんはレーガン大統領の如く、症状を自覚してみえる方が多々みえます。

 私の開設した「痴呆予防ドック」でも、多数の初期アルツハイマー病患者さんが発見されております。自覚のある方に「アルツハイマー病」という病名を告知することは辛いことですが、闘病してもらわないことには症状の改善は期待できませんので、「初期に発見されましたから、かなり治療に反応することが最近わかってきております」とお話しして勇気づけ、前向きな姿勢を持って頂けるように指導しております。

 

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