日本酒なら毎日2合以上で急増!
半年間ぐらい控えれば部分的回復の可能性も
(姫野 忠)
(冒頭省略)
今回、研究の対象になったのは、ある企業グループに勤務する人やその家族(三十−六十九歳)で、脳疾患がなく、健康な男女干四百三十二人。「酒を飲まない」「毎日、日本酒一合程度(ビール大瓶一本)」「毎日、日本酒二合以上」のグループに分け、核磁気共鳴診断装置(MRI)で脳の前頭葉と、くも膜のすき間が三ミリ以上の脳委縮をチェックした。
「飲まない」と「毎日一合程度」のグループでは、二四・六%の人に脳委縮があり、まったく差はなかった。
年代別にみると、さらに興味深い結果が出ている。三十代で一日二合以上飲む人と四十代で飲まない人の脳委縮の割合をみると、ともに同じ一四%。また五十代で一日二合以上飲む人と六十代で酒を飲まない人の脳委縮も五五−六○%と、ほぼ同じだった。そこで大ざっぱにいうと、酒飲みは飲まない人に比べると、脳委縮がざっと約十年早く進むことになる。
脳委縮にどのような因子が何%くらい影響しているか(寄与率)を解析すると、(1)年齢三一・○%、(2)飲酒一一・三%、(3)糖尿病四・六%、(4)高コレステロール血症四・○%の順だった。やはり、脳委縮の最大の危険因子は「年のせい」だが、約一○%は「過度の飲酒のせい」で、糖尿病も脳委縮にとって大敵だ。しかし、なぜか、喫煙と高血圧は脳委縮に影響していないとの結果が出ている。
脳委縮が起きると、脳の血流が減り、脳活性が低下、判断力が落ちることが知られているが、朗報が一つある。加齢による脳委縮では、脳の神経細胞そのものがダメになり、元に戻らない。ところが、アルコールによる委縮では、細胞と細胞をつなネットワークが故障するだけ回復の可能性があるという。
アルコールと脳萎縮の関係は私自身も大変興味深く、千葉大学の研究成果は注目して見守っておりましたが、今回の報告は2〜3年前に報告された内容と大差はないようです。
3ミリ以上、6ミリ以上、9ミリ以上というランクわけをして、その点はたいへん明確で、素人にも判断しやすい指標となっておりますね。