「痴呆」という文字が入ってないので受診しやすいと、本人・ご家族からは好評!
私がメール医療相談を開始してもうすぐ丸7年となります。痴ほう症のホームページを私が運営している関係上、痴ほう症の診断・治療・介護などに関する相談が主になります。その中でも特に多い相談内容が、ぼけ予防に関するものです。
私自身ももの忘れはかなり多い方です。特に宴会などの折り、沢山飲んだ際に聞いた話は、翌日にはすっかり忘れていることもしばしばです。でもそのようなもの忘れは誰しも起こりうることですね。
心配なもの忘れとはどんな場合でしょうか。最近、某テレビ局の依頼で、痴ほう症の初期症状としてどんな行動異常が認められたのかを調査いたしました。もの忘れ以外に以下のような症状があったら要注意と考えて下さい。
仕事上の大切な約束を忘れたり、仕事のミスが増える。調味料のさじ加減を忘れるため、料理の味付けが以前と変わってくる。計算ができなくなってきたことを隠すため、買い物に行くと大きなお札しか出さない。習い事への関心が減退しやめてしまう。家計簿をつけれなくなった。電化製品の使い方が分からなくなった。同じものが沢山冷蔵庫に入っている。靴をはき間違えてしまう。携帯電話の使い方が分からなくなった。旅行先で、宿泊している部屋が分からずに迷った。
倉本内科では、このようなもの忘れを心配する方のための「もの忘れ外来」も行っております。毎週火曜日・水曜日の午後3時から5時でしたら予約なしで来院して頂いてもすぐに検査可能です。それ以外の曜日をご希望の方は電話予約下さい(TEL:059−227−6711)。痴呆という文字が入ってないので気楽に受診できると、本人・ご家族からは好評です。
さて、ぼけ予防にはどのようなものがあるのでしょうか。趣味・適度な運動をし、糖尿病・高脂血症・高血圧などの生活習慣病の是正が大切になります。お酒は、一合(ビールなら中瓶一本)程度にしましょう。頭を打たないことも大切です。アルミニウム、煙草(2・3倍危険性が高まる)もアルツハイマー病の危険因子とされています。
不活発な生活を避けるために、デイケア・デイサービスなども活用されています。倉本内科病院にも併設のデイサービスセンターがあります。開設して日が浅いのでまだ多少人員に余裕はありますのでご活用下さい(津デイ連絡先 TEL:059−213−0075 谷または中西まで)。痴ほう症患者さんの中にはデイサービス利用後、随分と表情が明るくなった方がおられ、生活の中に気持ちの張りを持たせることの大切さをつくづく感じております。
アルツハイマー病は高齢者の病気と思われがちですが、文献上最も若くしてアルツハイマー病を発症した人の発症時年齢は28歳です。全国には約3万人の若年痴呆の患者さんがいる状況です。
最後にアルツハイマー病治療の現状についてお話します。アルツハイマー病の治療薬は、1999年に承認された塩酸ドネペジル(商品名:アリセプト)が今も国内唯一の治療薬です。その効果として、病気の進行を9か月程度遅らせることが確認されています。ただ、多くの患者さん・ご家族が望んでいることは、進行の停止ないしは発症の予防です。最近、セクレターゼというものを阻害することによってアルツハイマー病の進行ならびに発症を阻止する薬剤の安全性試験が開始されました。臨床試験で安全性と有効性が認められれば、数年以内に市販される可能性もあり、私も大きな期待を寄せています。
私の感想
「もの忘れ外来」は、平成15年4月より始めました。