脳の活性 痴ほうの「妙薬」

 昔の出来事回想・自信回復が効果!

 浜松方式:症状が改善が52%、現状維持が38%。悪化は約一割


 年齢を重ねると、物忘れが続いた時などに「このままボケてしまうのでは」と、ふと不安を抱くことが増えてくる。痴ほうは治らないと思っている人は多いが、痴ほう症状を予防・回復する研究は、様々な形で進んでいる。ここでは、生活習慣の改善を重視する静岡県の県西部浜松医療センターの金子満雄副院長らの取り組みと、過去を振り返ることが効果的だとする「回想法」の二つの方法を紹介する。

(石飛徳樹)

 

花札で右脳使い「大半は治せる」 

 金子さんは医療センターを訪れた痴ほう患者約二万人を分析、高齢者痴ほうの九割は、脳を使わないことが原因の老化・廃用型であるとの結論に達した。これは大半が生活習慣の改善で治せる。脳卒中など血管性や、遺伝子によるアルツハイマー病など治療困難な例は約一割だという。

 一回が二時間。体操や歌、ゲーム、ダンス、手芸などを楽しむ。過去五年の調査では、症状が改善した人が52%、現状維持が38%。悪化したのは約一割だった。

 

昔の出来事回想・自信回復が効果(東京の診療所)

 東京の下町に住む元洋品店経営A子さん(八九)が新宿区の慶成会クリニックを訪れたのは昨夏のこと。日付が分からなくなるなど痴ほうが進み、介護なしの生活が難しくなったため、週一回、回想法のグループ治療に参加した。

 参加患者は八人。毎回「お彼岸」「戦争」などテーマを定め、各人が思い出話をする。記憶を手繰るのに古い与真や音楽、モノなども使う。最初はとまどっていたA子さんだったが、話題が関東大震災に及んた時、燃えさかる火の中、ふろしき包みを差したさおをかついで逃げる様子をまざまざと語った。彼女に触発され、多くの人が震災の工ピソードを出し合った。

 以後、A子さんに自信が戻り、グループ内で冗談を言えるまでになった。慶成会老年学研究所主任研究員の黒川由紀子さんによると「痴ほうの進行が緩やかになり、日中は一人でいられるようになった。

 回想法は、約三十年前に米の精神科医が提唱した。これまで退行とされていた高齢者の昔話に、不安軽減、抑うつ状態改善などの効果があるというものだ。日本でもここ数年、特養老人ホーム、大学病院デイサービスセンターなどで実践されつつある。今春には一般向けに『回想法』(矢部久美子著、河出書房新社)も出版された。

 病院ではグループ単位が中心だが、子供や孫が個人的に話を聞く方法も有効だ。「この時、聞いてあげるという偉そうな態度を取らないこと。どんな重い痴ほうの人にも伝わるから」と黒川さん。

 ただし、回想法は痴ほう症の特効薬ではない。患者の自尊心を回復することで、痴ほうの進行を防ぐ可能性があるということのようだ。

 先進地英国では、図書館が記憶をたどるための古い資料を積極的に収集している。英国を視察した福岡県立図書館の白根一夫司書によると、新聞や雑誌を始め、昔の調理具やアイロン、戦争時の銃やヘルメットもあるという。

 白根さんは帰国後、同県小郡市立図書館で同想法を試験的に行っている。「日本の図書館のサービスはまだ模索の段階だが、来年は国際高齢者年だから予算がついて前進するのでは」と期待している。

 慶成会老年学研究所(03-5366-5982) 

(参考文献:平成10年11月27日 朝日新聞)

 

私の感想

 「回想法」については私もテレビで見たことがあるという程度でコメントは全くできませんが、またこの記事は追跡調査したいと思います。

 「浜松方式:症状が改善が52%、現状維持が38%。悪化は約一割」の、改善52%という部分かなり気になる方が多いと思いますが、アルツハイマー病の52%が治るという話ではありませんので、くれぐれも誤解なきように!老化に伴う記銘力低下の52%がややよくなったという話なのです。

 

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