ハイテク、福祉効率化!
痴ほう老人に小型発信器!
無線付き腕輪
北極圏まで二百キロ足らず。厳冬期には氷点下30度になることも珍しくないフィンランド北西部のオウル市郊外に、目指す老人ホーム「カイロハウス」はあった。
近くを流れるオウル川は氷結し、ホームも雪に閉ざされている。だが、一歩入れば中は暖かい。今年一月に新築されたばかりの窓の多い平屋のハウスには、雪に反射した柔らかい光がさし込む。
全室個室。フィンランド人には欠かせないサウナもある。だが、このホームの自慢は別にあった。
「このブレスレットのお陰で、お年寄りはホームの中を付き添いなしで自由に行動できる」と、ホームを経営するカリタス基金のヒルカ・マータさんは、誇らし気に説明を始めた。ホームでは、入所する痴ほうのお年寄り全員が手首に小さなブレスレットをつけている。一見、何の変哲もない腕時計のようだが、実は世界の介護関係者の注目を集めるハイテク機器なのだ。
内蔵された無線機で、お年寄りの腕の動きをリアルタイムで送信。受信したデータをパソコンで各人のデータと照合し、けいれんや卒倒などに伴う異常な動きがあると、職員の携帯端末に向けて自動的に警報が発信される。お年寄り自身がブレスレット中央のボタンを押して助けを呼ぶこともできる。
社会保障費減少
高負損・高福祉で知られるフィンランドだが、国内総生産(GDP)に占める医療費の割合は、意外にも6・8%(九九年、OECD調べ)と主要先進国の中では最も少ない部類に入る。九〇年代初頭の景気悪化を背景に、九二年から社会保障費に大なたをふるったためだ。GDPに占める社会保障費の割合は、九六年31・6%から九九年の26・7%へと大きく減った。
北極圏に近く、人口密度が低いオウル市が熱心に取り組んでいるのは、通信技術の活用である。
例えば、オウル市郊外に本社を置くトラッカー社は、痴ほう老人を対象とした電波検索装置を開発した。わずか六十グラムの超小型発信器をお年寄りに装着しておけば、小型のアンテナで最大八キロ先まで、同時に五十人まで探し出せる。
もともとは行方不明になった猟犬を追跡するために開発されたシステムだが、「高齢化が進むにつれて、福祉に応用できることがわかった」と、ベサ・ハプオヤ輸出担当部長はいう。
(以下省略)
私の感想
写真は掲載しませんでしたが、本当に腕時計みたいなブレスレットですね。この無線機が「けいれんや卒倒などに伴う異常な動きがあると、職員の携帯端末に向けて自動的に警報が発信」という機能を持っているというのは、素晴らしい企画だと思います。
もう一方の『わずか六十グラムの超小型発信器』は、冬山登山の方には装着してもらうといざという時、捜索がしやすいのではないかと感じました。
この製品に関する問い合わせ先は、以下です。
フィンランドの現状も勉強になりましたね。