エストロゲンと認識力の関連のさらなる証拠

 1年以上のエストロゲン服用は、年間のアルツハイマー病増悪危険率を5%も低下!?


 性ホルモンは、単に性に関連したことに限らず重要なようだ。エストロゲンが神経細胞、ひいては認識力を保護するという証拠は次第に増している。Scienceに掲載されたこの論文は、その分野の最近の進歩をまとめている。

 エストロゲンが胎児期の神経細胞の成長を助けることはよく知られているが、成人でも同様なようだ。エストロゲンは軸索や樹状突起の形成を刺激し、強力な生体保護作用として抗酸化作用を有する。ラットとサルでの検討によれば、高エストロゲン血症と認識力の応用には相関が認められた。軽症のアルツハイマー病の女性に関する過去の研究では、エストロゲンは言語記憶力と注意力 とを改善し、エストロゲンの中止によりそれらの効果は消失した。複数の大規模調査によっても、血中エストロゲン濃度の上昇はアルツハイマー病増悪の危険率を低下させるという結果が出されている。このなかには1年以上のエストロゲン服用は、年間のアルツハイマー病増悪危険率を5%近く低下させたとする論文もあった。  

(参考文献:平成9年11月 メディカル朝日 Science 1997 May 276 p675-678より)

 

私の感想

 私の感想の代わりに、AL Komaroff先生のコメントをご紹介いたしましょう。

 エストロゲンが認識力の助けになるか否かに関する研究が、女性健康推進調査(Women's Health lnitiative)と呼ばれるエスト□ゲン療法の大規模無作為試験として行われている。一方、製薬企業各社は女性では腫瘍、また男性では女性化現象といった副作用を引き起こさずに同様の効果が得られるような、エストロゲン類似物質の開発にしのぎを削っている。

 エストロゲンに関する過去のバックナンバーも参考に。

 

ご意見はこちらまで

ホームへ戻る