日本初の園芸療法庭園「ふれあい」!
園芸療法とは、心身に障害のある人を対象に、園芸を通じて、症状の改善、豊かな対人関係、生きる意欲の回復を目的に行う治療法である。もともとは、精神病院の作業療法から派生しており、18世紀にイギリスやアメリカの精神病院において非拘束運動として始まったものが20世紀に入って体系化されたものだ。
園芸療法には二つの面があり、ひとつは音楽療法や芸術療法といったレクリエーショナル,セラピーの面。もうひとつは、残された正常な部分を十分に活用するための理学療法の面だ。
吉長:「園芸療法の大きな特徴として、さまざまな障害を持つ人、異なる治療段階にある人が、それぞれの症状に応じた道具などを使い、スタッフの工夫次第で一緒に同じ園芸作業を行つことができるという点があります。たとえば、アメリカのニューヨーク大学のラスク・リハビリテーション医学研究所などが行っている園芸療法では、患者さんの現状を把握し、ゴールを設定します。そのゴールまでの間に、タスクと呼ばれる治療段階に合わせた課題を用意します。その達成度合いを測るスケールを使って、改善度を見る方法が採られています。ですから、患者さんのなかでもまったく園芸に興味がない人や園芸に興味もスキルもある人ではスタートが違いますし、ゴールが違う人もいますが、園芸療法のスタッフがその人の段階に合わせた道具と作業を工夫すれば、みな同じ園芸というものを行うことができます。もうひとつ、この園芸療法のよい点はほとんど副作用がないということです。また基本的に対象者には急性疾患よりも慢性疾患の患者さんに適しているので非常に有効です」
そんな薗芸療法のよさを知り、自院のデイケアで行う療法のひとつとして、園芸療法を行おうと園芸療法庭園を日本で初めてつくったクリニックがある。医療法人社団好縁会下山クリニック(広島県東広島市西条町寺家7430 TEL:0824-21-5515)だ。理事長の下山直登氏は、吉長氏の協力を得て、自院の行う痴呆症患者を中心としたデイケアに適する広さ756m2の園芸療法庭園をつくった。
同院の園芸療法の責任者である森脇雄氏によると、「この東広島という土地柄か、高齢の患者さんはハーブや花よりも野莱や果物などの作物に興味を持っていて、園芸療法で重要なコミユニケーション、会話も作物の方が弾みます。ですから、患者さん一人一人が、〃自分の莱園〃として、自分の責任で植物を育て上げることで喜びや生きがいや自信を持てるのだと思います。園芸療法では、そうした土地柄や世代に合わせた作業を考えることも重要です」
園芸療法で一番難しいのは、数値など明確なかたちで表れない園芸療法の治療効果をどう測定するかという点である。特に、医師の側からすれば、「療法というからには、きちんと効果が測定できなくてはならない」という考えが強い。しかし、まだ日本では歴史が浅いため、各所で行われている園芸療法の責任者の考え方により、その手法がみな違っているため、統一された効果測定のスケールは存在しない。しかし、最近では、いくつかの教育機関で園芸療法がとり入れられたり、吉長氏らの研究が文部省の研究補助を受けているなど、園芸療法に対して国や自治体で注目が集まってきているので、今後は学術的な体系ができ、いずれは痴呆症のスケールのような統一されたスケールがつくられる日も来るだろう。
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園芸療法は注目されていますが、やはり「療法というからには、きちんと効果が測定できなくてはならないという考えが強い」という大きな壁のため、まとまった報告がされることは少なく、私自身も「園芸療法」に関する知識は皆無であるため、記事を紹介させていただきました。
今回の記事のなかでは、園芸療法の歴史なども紹介されており有用な記事でした。
今後、在宅療養者が自宅で行えるような「園芸療法マニュアル」が作成されると良いですね。