E2020(抗アルツハイマー薬)アメリカで承認
カウンター起算:平成9年2月7日
E2020(エーザイ)は抗アルツハイマー薬として開発され、新薬の承認待ちであった薬であるが、このほど日本より一足先にアメリカでの承認がほぼ決まった(9月25日、FDAより新薬可能性通知が出された)。
プラセボを対象薬とする第3相二重盲検試験(患者数472人、投与回数1日1回)で、軽度・中等度のアルツハイマー型痴呆患者の記憶と知的機能の改善効果において、統計学的有意差が認められたそうである。
また安全性についても、副作用は主に消化器系のもので、通常平均1〜2日で消失する一過性のものとしており、肝毒性など臨床的に重篤なものはなかったとしている。
(参考文献:日刊薬業、平成8年9月27日)
(以下は、平成9年2月7日、NIFTY-FSKYM,URLコーナーの問合せを受けて追加しました)
平成8年12月12日号・週刊新潮、P55〜58より
E2020に関する続報が週刊新潮より報道されました。要点を報告します。
@商品名:アリセプト
A価格:アメリカでは、1錠3.5ドル(約390円)位で発売される予定。1日1回の内服なので、年間で約14万円。本当に効果があるのなら、アルツハイマー病患者を抱え悲惨な思いをしている家族にとっては決して高くはない価格だろう。
BFDAが承認した治験データは、日本以外のたいていの国で承認されるそうである。従って、恐らく来年(平成9年)中には、日本を除く世界中で使われることになるそうだ。
C日本の治験参加施設の方の、アリセプトに対する印象
本間 昭先生(東京都老人総合研究所):「私が10人程度の患者さんに12週間投与したところ、3〜4割の患者さんに効果(主に記憶力がよくなり、自発的にもなりました。)がでました。」
D副作用:一部の人に、服用1〜2週の間に軽い下痢や嘔吐感が出る程度です。それもそのまま服用を続けていても、十中八九、じきに治まります。
Eなぜ日本だけ使えないか:第3相治験(=最終段階)の患者さん200人以上のデータが集るのは1998年春以降になるとみられており、、それを中央薬事審議会に申請して承認が出るのにはさらに2〜3年はかかるため、日本で承認されるのは早くても2001年と予測されているそうである。
F背景:アメリカには治験専門の病院まであって、医療費を無料にしたり、その薬を生涯無料で使える契約を結んだりして患者を集め治験薬を投与しています。むろんその費用はメーカーが持つのですが、それはアメリカの医療費が高いから成り立つ仕組みです。日本は医療保障制度があって、もともと医療費がタダに近いので、治験に協力する患者さんが少ないので、アメリカのようなスピーディで大規模な臨床治験ができない。そのうえ、FDAは、ガン、エイズ、アルツハイマー病の新薬の審査は最優先するという背景などがあるのである。
Gどうしてもアリセプトを使いたい人は!
アメリカに行って、処方箋を医師に書いてもらえば出してもらえる。これは何ら違法行為ではない。じきに東南アジアでも承認される見込なので、近いうちにアメリカまで行かなくても処方してもらえるようになるでしょう。
もう一つの方法は、日本の治験参加病院を受診し、「治験に参加したい」と申し出る方法。治験の段階では、デンプンの偽薬を飲まされたりもするが、その後、担当医に「実薬の投与を受けたい」と相談すれば、たいてい希望通りにしてくれるものだ(中村重信・広島大教授)。