現代養生訓・・・取材余話@

 最も長生きする体重は、平均体重より0.5「重い!


 EPA・DHAをご存じの方は多く、この成分をとろうと、寿司屋でコハダを注文したり魚のアラ煮の目玉の周囲をあさったりした人もいるかもしれない。

 イヌイットの人々にEPA・DHAが多く、心臓発作の発生率が白人の十分の一しかないと分かって、これらの脂肪酸の動脈硬化の予防効果が有名になった。

 米国人は肉を1日平均300K以上食べ、魚は18Kにとどまる。「もっと魚を」と米国の学者が、EPA・DHAの効果を米国人に伝えた。

 だが日本人は肉が70K、魚が90K程度。血液のEPA濃度は米国人より1桁多い。

 イヌイットは動脈硬化が少ないものの、血が固まりにくく、脳卒中(=脳出血の事を言っているのだろうと思います)が白人の2倍ある。「元々摂取の多い日本人がさらにEPA・DHAを摂取したら、脳出血が増えないか?」とEPA・DHAを勧める学者に尋ねたが、安心できるデータは無かった

 

別の例

 肥満は健康の敵とされる。米国人の平均体重は、最も長生きする体重より9「多く、米国の学者が「もっと減量を!」と米国民に訴えた。

 日本では最も長生きする体重は、平均体重より0.5「重いと分かった。しかるに、米国輸入のダイエットが幅をきかせ続ける。

 米国は健康知識の先進国だ。日本は知識を米国から輸入してきた。「横書きを縦書きに直すのが日本の学者」と皮肉も言われる。だが、日本の実情に合わないケースもこの「肥満」のようにあるのが事実である。

 

 「日本人による、日本人のための」健康知識づくりを学者に求めたい。

 

(参考文献:平成9年8月18日、朝日新聞・現代養生訓:長倉 功)

 

私の感想

 健康常識というのは、「慎重に判断して、自分に合うものを取り入れなさい」と長倉さんは言いたかったのでしょう。その通りであると思います。

 体にいいともてはやされる「健康情報」はあまりにも多すぎます。患者さんの中には、「◯◯◯という健康雑誌に□□□が良い!と書いてあったがどうですか?」と医師に聞いてくる人が多数みえますが、はっきり言ってその健康医学情報は、医師にとっては初耳という内容のものが多々あります。そして今回のDHAの話のように、心臓病にとっては好ましいが、脳卒中にとっては判断しかねる!というケースが多いのです。

 情報にはすぐには飛びつかないで、1〜2年流れを見ていくと、客観的・総合的な判断は必ず下されます(その健康情報が本当に正しいのかどうか)。それからでも良いと思います(今すぐその健康情報の健康法を実施しなければ死に至るというケースなら別かもしれませんが)。

 

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