アルツハイマー病

 進行遅らせる新薬登場!

 「悪化」例は一七%!

 薬を飲み始めてから一カ月から半年で改善効果がみられた!

 「第二世代」の治療薬:実用化には五年以上掛かる!

 早期に兆候をつかめばビタミンEなどを使って発症を一年以上延ばせる!


 日本には老人性痴ほう患者が約百五十万人おり、このうち四割強がアルツハイマー病だ。決定的な治療法はまだ見つかっていないが、最近、新しい治療薬が登場した。この薬は脳神経に働き掛け、ボケや徘徊(はいかい)といった症状を改善する。根本的な治療薬ではないが、病気の進行を遅らせる効果はある。専門家は薬に頼るのではなく、家族の介護など周囲のサポート態勢を整えることが大切と強調している。

 

 関東地方に住む六十代の男性はアルツハイマー病で悩んでいる。先日、エーザイが発売した「アリセプト」を投与したところ、四週間目に買い物に出掛けられるようになるなど症状が一時的に改善した。その後、再び病気の進行が始まったが、一時的にせよ表情や日常生活が改善したことは、家族に介護態勢を整える時間を与えたという。

 

治療は対症療法中心

(中略)

 

半数以上で改善効果

 国内の臨床試験では百三十六人の患者のうち「改善」したのは一七%、「軽度改善」は五一%、「悪化」したのは一七%だった。薬は一日一回三mgから服用をはじめ、一、二週間後に五mgに増やす。薬を飲み始めてから一カ月から半年で改善効果がみられたという。

 十四例の臨床試験を担当した聖マリアンナ医科大学東横病院の今井幸充助教授によると表情が豊かになったり、家族との会話を楽しんだりできるようになった患者さんもいるという。九カ月ほど症状の進行を遅らせる効果がある。今井助教授は治療効果そのものより「患者を今後、どうやって介護していったらよいのか家族に考えてもらう時間を稼げる」と一応評価している。

 

「第二世代」はまだ先

 こうした症状の進行を遅らせる「第一世代」の治療薬はこれから次々と登場すると期待される。スイス系製薬会社のノバルティスファーマや日研化学が臨床試験を進めている。アリセプトと同じようにアセチルコリンが分解される酵素の働きを阻害して、アセチルコリン濃度を高めて症状を緩和することを狙っている。このほか、武田薬品工業や藤沢薬品工業、富山化学工業なども開発を進めている。

 アルツハイマー病の根本治療を狙った「第二世代」の治療薬はまだ基礎研究の段階。実用化には五年以上掛かるとみられる。

 今井助教授は「現段階では早期発見・早期治療が大切」と話す。早期に兆候をつかめばビタミンEなどを使って発症を一年以上延ばせることがわかってきたため、米国立老化研究所は全米でアルツハイマー病の予防実験に乗り出している。  

(参考文献:平成11年12月6日 日本経済新聞・夕刊)

 

私の感想

 悪化例があることも記事内で紹介されており、客観的で良い記事であると思います。

 さて、最後の部分がとても重要ですね。「早期に兆候をつかめばビタミンEなどを使って発症を一年以上延ばせることがわかってきた」と記載されておりますが、このような臨床試験が最近始まったと私も伝え聞いております。

 「一年以上」という表現も微妙ですね。やはり初期段階の方がこの記事を読んだら、ビタミンEを開始したいと希望すると思いますね。

 ビタミンEはアルツハイマー病に対しては保険適応となっておりませんが、高血圧・高脂血症などの病名(正確に言うと、「高血圧に伴うしびれ感・めまい感・首すじや肩のこり・耳鳴・抑うつ・四肢冷感などの随伴症状 & 高脂質血症 & 閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害」に対して保険適応が認められています)があれば、病院でも投薬可能です。

 

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