京都大が動物実験成功!
痴呆(ちほう)をおこすアルツハイマー病の治療薬を使い、麻薬への依存や中毒症状を改善する動物実験に中西重忠・京都大教授(神経科学)らのグループが成功した。これまで難しかった麻薬中毒の治療に利用できるかもしれないという。
モルヒネやコカインなどの麻薬を続けて摂取すると、脳の中央部にある側坐(そくざ)核と呼ばれる部分の神経伝達物質ドーパミンの濃度が通常より高まり、神経細胞の働きが過剰に活発になる。それが麻薬の中毒症状や依存症につながると考えられている。
中西教授らは、別の神経伝達物質アセチルコリンが側坐核でドーパミンの働きを抑制することを明らかにした。アセチルコリンの濃度を高めれば麻薬中毒症状が和らぐかもしれないと考え、脳内でアセチルコリン濃度を高めるドネペジルやガランタミンという薬に注目した。これらはアルツハイマー病の治療薬として開発されたもの。
ネズミにモルヒネやコカインを連日与えると、与えられる場所を記憶して、麻薬が与えられなくてもその場所に好んで行くようになる。運動量も激増する。ネズミにドネペジルなどの薬を与えてから麻薬を与えると、場所の好みや運動量の増加が起こらず、薬で麻薬への依存や中毒症状が抑えられることが分かった。
中西教授は「別の動物でも同様の実験を行い、麻薬中毒の治療薬として利用できるかどうか検討したい」と話す。
ドネペジル(商品名・アリセプト)は日本や米国で一番よく使われているアルツハイマー病治療薬。
私の感想
この記事を読んで、若い「中毒患者さん」が「痴ほう症を心配して外来受診しました」と言ってくるかもしれないなと感じました。それ程「麻薬中毒」を治したいと真剣に悩んでいる方が多いのでは・・と感じています。