エーザイ、24日から販売!
アリセプトは軽中度のアルツハイマー病の進行を抑える働きがあるが、すべての患者に効果があるわけではない。一部に嘔吐(おうと)や食欲不振などの副作用がある。売上高は初年度十憶〜十五億円程度を見込んでいる。
アリセプトは欧米など四十一カ国ですでに発売済みで、今年度は海外で五百二十九億円の売り上げを見込んでいる。厚生省の試算によれば、一九九五年の国内の痴ほう患者は約百五十万人。四割以上がアルツハイマー型の痴ほうと見られる。現在は軽中度の患者で、病院で診断・治療を受ける数はまだ少ない。
アリセプトはエーザイが開発・販売し、MR(医薬情報担当者)による販売促進活動をエーザイとファイザー製薬が共同で手掛ける。エーザイではこのほど本社の医薬事業部内にアリセプトに関する情報提供を手掛ける「アリセプト室」を設けた。五人の専任スタッフを置く。
アルツハイマー病の治療はこれまで、運動や手作業、会話といった日々の生活や介護の中での取り組みが中心でした。しかし国内では初めてとなるアルツハイマー病の治療薬が承認されました。そこでアルツハイマー病治療の現状についてお話しいたします。
アルツハイマー病は、脳内の神経伝達物質アセチルコリンの濃度低下が原因の一つとされています。九九年十一月二十四日から発売となった新薬ドネペジル(商品名アリセプト)はアセチルコリンを破壊する物質の働きを阻害し、脳内のアセチルコリン濃度の低下を防ぐ働きがあります。根本的な治療薬ではありませんが、軽・中度のアルツハイマー病に対して進行を遅らせる効果が期待されています(重症例に対しては検討がされていないため、使用の対象からははずされております)。重症例が使用対象外となっていることから、アルツハイマー病を早期に診断する試みが、今後更に重要性を増してくると思われます。しかしその効果の発現は二〜三割程度で、進行を遅らせる効果は一年弱程度といわれています。すなわち、症状を一年程前の状態に改善し進行を遅らせるのですが、脳の萎縮そのものを抑制する薬ではないので、やがて重症化するのです。
現在、アルツハイマー病の薬は三種類に分けて考えられています。一つはアルツハイマー病の早期に使用すれば、認知機能障害をある程度改善することができる第一世代の薬で、アリセプトはこれに該当します。認知機能の改善もあり得るが、それよりもアルツハイマー病の進行を抑制する効果の方が期待できる薬が第二世代薬です。そしてアルツハイマー病の発症そのものを阻止する根治薬が第三世代薬で、この登場は「未来年表」によれば二〇一三年と予測されています。
長年待ち望まれてきたアルツハイマー病新薬発売に際して、ややもすれば悲観的な話しをしましたが、まだまだアルツハイマー病には多くの謎が残っております。進行の進み具合も患者さんによって随分違います。どのように治療した場合に進行が遅いのかは未だ分かっておりません。
効果の発現は二〜三割程度ですから、効果が発現するかどうかは何とも言えません。しかし、副作用は軽い消化器症状が主たるもので、今のところ大きな副作用は報告されておりませんので、一度は試してみる価値がある薬ではないでしょうか(私も三十人程度の方に対して投薬開始することになると思います)。