ドネペジルの方がrivastigmineより有効性が高い!
イチョウ葉:プラセボ対照無作為二重盲検試験では、有効性は認められていない!
Nimodipine:痴呆症に対する有効性に関しては議論が分かれる!
脳血管性痴呆:十分な根拠をもとに推奨しうる治療薬は、今のところまだない!
ドイツ医師会の医薬委員会(AkdA)は、このほど痴呆症に対する薬物療法のための新たなガイドラインを作成した。AkdAによると、根拠に基づくこの治療ガイドラインは家庭医が処方を行う際の指針となる。
ドネペジルの有効性に注目
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、アルツハイマー型痴呆に対してのみ使用が認められており、現在ドイツではドネペジル(商品名:アリセプト)、rivastigmine、tacrineの3剤が上市されている。AkdAは「tacrineには肝毒性が認められるため、その使用はもはや推奨できない」と指摘。残りの2剤では、ドネペジルの方がrivastigmineより“整合性のとれた”データが得られているという。
複数の臨床試験から、ドネペジルは認知能力だけでなく、臨床症状も全体的に改善するというデータが得られている。同薬は半減期が長いため、服用は1日1回(5〜10mg)で十分である。アルツハイマー病患者を対象としたある臨床試験では、rivastigmineでも同様の好成績が得られているが、別のプラセボ対照試験では、認知能力の評価に関する限りrivastigmine群と対照群との間に有意差は認められなかったという。
他の薬剤では評価が分かれる
アルツハイマー型痴呆、脳血管性痴呆、老年期記憶障害の患者に対してイチョウ葉エキスのひとつであるEGb761を投与した研究が3件発表されている。このうち2件の研究では、認知障害の改善が確認されている。しかし、最近発表されたプラセボ対照無作為二重盲検試験では、有効性は認められていないという。
Nimodipineには神経保護作用があり、Caのホメオスターシスを安定させて興奮を静める効果がある。今回のガイドラインは、同薬の痴呆症に対する有効性に関しては議論が分かれていると指摘している。
多角的に治療効果を点検
ピラセタムには、複数のメカニズムを介した神経保護作用が認められている。同薬の効果に関しては数多くの臨床試験が実施されている。コックラン共同研究の分析によると、同薬は臨床的全体的印象を有意に改善するが、認知パラメータをはじめとする各種パラメータではそうした効果は認められていないという。
AkdAによると、現時点ではアルツハイマー型痴呆に対する第一選択薬はアセチルコリンエステラーゼ阻害薬である。これに対し、脳血管性痴呆に対して十分な根拠をもとに推奨しうる治療薬は、今のところまだない。
(以下省略)
私の感想
ドネペジル(商品名:アリセプト)を超えるアルツハイマー病治療薬は今のところまだ登場していないことが、改めて確認されましたね。
私のHPにも質問が多い、「rivastigmineを個人輸入してでも飲ませるべきか?」、「脳血管性痴呆の治療薬はないですか?」、「イチョウ葉エキスの有効性はどうですか?」などの質問に関しては、今回の記事は端的に回答していると思います。
「同薬は半減期が長いため、服用は1日1回(5〜10mg)で十分」という記載がありますが、日本での用量は5mgですので、お間違いなく。もっとも学会レベルでは、5mg継続投与で有効性が低下してきた折りに10mgに投与量を増加して有効性が向上したというデータは国内データとしてもありますが・・・。