マウス実験で進行遅延や発症予防などの効果!
アミロイド斑が平均99%減少!
アミロイド斑沈着を予防
Schenk博士は「アルツハイマー病と似た病理を呈する遺伝子操作マウスにおいて,ある種のベータアミロイドペプチドをワクチンとして接種すると,アミロイド斑の除去および沈着阻止効果が見られた」と言う。
マウスのアルツハイマー病モデルとヒトにおける同疾患の病態は一部が類似しているにすぎないが,同博士らは「AN‐l792と名付けたアミロイド蛋白質を用いた今回の研究の結果,アルツハイマー病ワクチンの開発も夢ではないことが明らかになった」と報告している。今回の研究には参加していないトロント大学(カナダ・オンタリオ州トロント)変性性疾患研究センター分子生物学のDavid Westaway助教授は,「今回の研究は,斑がアルツハイマー病の原因なのかどうかを解明するのに有用かもしれないが,マウスにおける認知機能の変化を直接証明する証拠はなかった」と指摘している。
アミロイド斑が99%減少
今回の研究は,予防および治療という2つの目的を持って実施されている。
まず,予防を目的にワクチンを投与した9匹のうち7匹において,1年間毎月投与した後にはアミロイド斑を検出することができず,Schenk博士は「神経の障害および脳の炎症に対しで,ほぼ完全な予防効果が認められた」と言う。
一方,アミロイド斑治療実験では,ワクチンを7か月以上毎月投与した24匹のマウスにおいて,アミロイド斑が平均99%減少。また,予防実験と同様に,炎症および神経変性は有意に軽減されたと報告している。
Elan社の研究者らは「AN‐l792ワクチンは,今年末までには第1相臨床試験に入る予定でいる」と述べている。
動物実験レベルとはいえ、すごいデータが飛び込んできました。
アルツハイマー病の発症阻止薬の登場は、2013年と予測されていましたが、かなり早まるかもしれませんね。
続報(日経サイエンス99年11月号 P9)
南サンフランシスコにあるエラン・ファーマスーティカル社の研究者は,Nature誌7月8日号にアルッハイマー病に有効なワクチンが可能かもしれないと報告した。マウスの遺伝子を組み換え,アルツハイマーに似た症状が現れるようにした。アルッハイマー病患者の脳に老人斑と呼ばれるプラークという粘着性の不溶性物質を付着させる原因物質のベータ・アミロイドをつくるようにさせた。ベータ・アミロイドで免疫を刺激した結果,生後6週間のマウスはプラークができず,年老いたマウスでもプラークが減った。同社は安全性試験を始める予定だが,ワクチンの効果はまだわからないとしている。アミロイドのプラークは症状の1つであり,アルツハイマーの原因でないのかもしれないからだという。
(原文:Christina Reed)