働き盛りの痴呆

 

 高齢者より体力があるだけに、「手がかかる」「扱いきれない」などと病院や施設側から入所を断られることが多い

 四十五歳〜六十四歳の痴呆患者は推計約二万三千人


 痴呆の高齢者の介護が社会的課題になっている一方で、働き盛りの痴呆の問題も深刻さを増している。推定では、全国にざっと二万三千人。人生設計が狂い、家族に重い介護負担がのしかかるが、実情はなかなか理解されにくい。家族や専門家が集って三十一日東京・品川のコクヨホールで講演会「若年痴呆ーその現状と家族の思い」を開く。

 「子供の教育費や住宅ローン、それに介護。病院や施設で受け入れてもらえないなど、高齢者とは異なる悩みも多いんです」。講演会を開く「初老期痴呆家族会」世帯人の岡田ちか子さん(62)は、問題の切実さを訴える。

 同会は四十歳か六十四歳まででアルツハイマーなどにより痴呆を発症した人の家族が集まって、窮状を世に知ってもらおうと一九九七年に発足。現在は関西地方を中心に、約五十人の会員がいる。

 まず切迫するのは経済的な問題だ。京都府宇治市の男性会社員(61)は五年前、アルツハイマー病と診断された。自宅待機で年収は半分以下に減り、住宅ローンと妻(56)や子の生活費、税金などは、夜間学校に通う息子と、会社員の娘の給料でどうにか補っている。もちろん、職を失う人も多い。高齢者に比べて介護の支援も少ない。この年齢の初老期痴呆は介護保険の給付対象になってはいるが、高齢者より体力があるだけに、「手がかかる」「扱いきれない」などと病院や施設側から入所を断られることが多い。活動的な痴呆に慣れていない施設ではきちんとした対応ができず、患者の状態を悪化させかねないからという。

 宇治市の会社員の場合も、複数の施設から入所を拒否された。今はようや<見つけた老人保健施設での週に二回のデイケアだけが頼みだ。「この先ずっと介護できるか自信はない」と妻は話す。

 さらに痴呆に対しての偏見もある。家族は周囲の目を気にして孤立しがちだ。

 旧厚生省の研究班が一九九六年に実態を調べた結果では、四十五歳〜六十四歳の痴呆患者は推計約二万三千人。メンバーだった群馬県精神保健福祉センター長の宮永和夫さんは「高齢者中心の介護・医療施設では、若年者に対応できない」と指摘している。家族からも専門施設の設置を要望する声が多く寄せられている。

 今回の講演会は家族会と研究班とで実行委員会を作って「まず、こうした悩みを抱えている人がいることを知って欲しい」と開催する。午前十一時半から。

 参加申し込みは群馬県精神保健福祉センター(027・263・1166)。当日参加も可。 

(参考文献:平成13年3月29日 読売新聞・生活)

 

私の感想

 「高齢者より体力があるだけに、「手がかかる」「扱いきれない」などと病院や施設側から入所を断られることが多い」など私の経験からも実に多い悩みであることは真実ですね。

 良い会が発足したものと思います。

 

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