動物実験では、カロリーと炭水化物の制限でリスクが減少した!
カロリーと炭水化物の摂取量の制限は、アルツハイマー病のリスクに影響する可能性がある。
最新の実験によると、カロリーと炭水化物の摂取量を制限したマウスについて、好きなだけ食べさせたマウスと比較すると、もともとアルツハイマー様疾患を起こす系統のマウスであっても、疾患徴候がまったく現れなかった。
だが結論を急いではいけない。同じことがヒトにも当てはまるのかどうかはまだ何も解っていないからだと精神科教授のGiulio Maria Pasinetti, MD, PhDが語っている。
「ヒトの食事について具体的な勧告をするにはまだまだ時期尚早ではあるが、実験のこうした結果は、食生活の改善がこの恐ろしい疾患の治療と予防の新たな手段になることの証明につながる初めての確実な証拠である」とPasinetti博士はニュースリリースの中で述べている。
この実験は、マウントサイナイ医科大学(ニューヨーク)のPasinetti博士らが行ったもので、結果は『The FJ Express』2月号に掲載される予定である。
炭水化物とカロリーを減らす
研究者らが目標にしたのは、カロリーの削減はアルツハイマー病に対して効果があるのかどうかを確かめることであった。過去の研究では、過剰なカロリー摂取はアルツハイマー病のリスク因子になる可能性が示されている。
「カロリー摂取を減らしたヒトはアルツハイマー病の発生率が低くなるという疫学データはある」とPasinetti博士はニュースリリースで述べている。
同博士の研究チームは、アルツハイマー様脳疾患を起こす系統のマウスを用いて実験を行った。このマウスを3カ月齢のときに2群に分けた。一方には標準的なげっ歯類用飼料を与え、他方にはカロリーを30%少なくした飼料を与えた。炭水化物を減らすことによりカロリーを削減し、タンパク、脂肪、コレステロール、ビタミン類、ミネラル類は両群とも同等にした。
9カ月後にマウスの脳を取り出したところ、低カロリー・低炭水化物の群の脳には、プラークの形成が「ほぼまったく」見られなかったと研究者らは述べている。このようなプラークの形成は死亡したアルツハイマー病患者の脳においてこれまでに認められている。
また、低カロリー・低炭水化物群のマウスは、正常に成熟し健康的な体重が維持された。
「この、わずかといえる食事の変化によって疾患がかなりの程度予防された」とPasinetti博士はニュースリリースの中で語っている。
標準的なげっ歯類用飼料を与えられたマウスの経緯は好ましいものではなかった。これらのマウスには食事による脳疾患予防効果は見られず、体重も増大した。
低カロリー・低炭水化物食によって、有用な化学連鎖反応が開始されるのだと考えられる。低カロリー・低炭水化物群のマウスには、プラークの構成成分を分解すると考えられる物質が高濃度で存在していた。こうしたことがプラーク成分を阻害して、プラーク成分が脳に集積し悪影響を及ぼすまでに至らせなかった可能性がある。
確かなことは研究者らにも解らない。それ以外の経路で低カロリー食が脳に影響した可能性もある。しかし、食事とアルツハイマー病の研究は継続する価値が十分にある、とPasinetti博士らは結論の中で述べている。
私の感想
飽食がアルツハイマー病のリスクになるかもしれないと言う興味深い報告です。念頭には置いておいた方が良さそうなデータですね。