細胞死のメカニズム解明

 

 アルツハイマー:治療薬開発に期待!

 岡崎国立研・森 泰生教授!


 アルツハイマー病の一因とされる細胞死のメカニズムを、岡崎国立共同研究機構・総合バイオサイエンスセンター(愛知県岡崎市)の森泰生教授(分子生物学)の研究グループが世界で初めて明らかにした。十七日発行の分子生物学の米専門誌「モレキュラー・セル」で発表する。アルツハイマー病や脳梗塞(こうそく)の治療薬の開発に役立つと期待される。

 細胞の死には、細胞が膨張して内容物が飛び出す「ネクローシス」と、細胞が縮んで内容物が断片に分かれる「アポトーシス」の二つがある。アルツハイマー病には両方の細胞死がかかわっていると考えられているが、ネクローシスの起きる具体的なメカニズムはこれまで分からなかった。

 森教授はネクローシスのメカニズムを探るため、細胞膜のイオンの通り穴となっている特殊なタンパク質に着目した。その通り穴に酸素の一部がエネルギーを生産する際にできる有害な活性酸素ができると、穴が大きく開き、細胞の外から大量のカルシウムイオンやナトリウムイオンが流入。膨らんだ細胞が飛び散り、細胞を死に至らしめることが分かった。

 森教授は「害悪をもたらす活性酸素が、細胞死が起きるスイッチの役割を果たしている」と話している。

 細胞死のうち「アポトーシス」は遺伝子に組み込まれたT自殺Uプログラムによって整然と起きる。ネクローシスはやけどなどで偶発的に起きるとされてきたが、今回ネクローシスをコントロールするタンパク質が発見されたことで、定説は覆ったことになるという。

 

非常に面白い研究

:長尾拓・国立医薬品食品衛生所副所長(薬理学)の話

 非常に面白い。ネクローシスはこれまで無差別に細胞を壊すと考えられてきた。それが、今回の研究で細胞の死がそれなりに制御されていることが初めて分かり、画期的だ。細胞の機能の制御にもかかわっている活性酸素にも注目したい。

(平成14年1月17日 中日新聞)

 

私の感想

 ネクローシスのメカニズムが解明されると、神経細胞死の治療に繋がりますので、確かにアルツハイマー病や脳梗塞治療への応用が期待されますね。

 実用化にはかなりの時間を要するのだと思いますが、脳虚血によるネクローシス、放射線照射によるネクローシスなどが制御できるようになれば、かなり画期的な治療になりますので期待したいと思います。

 

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