「いま、認知症の私が伝えたいこと」

 

 生放送、常識が変わる3時間!


 教育テレビは、初期の認知症患者さんを生出演させてインパクトの強い映像を届けました(H18年5月27日・土曜日 PM7時〜10時)。

 しかし、「本当のこの方たちが認知症?」というイメージを受けた方が多いのでは・・と感じました。

 生出演されていた方は、太田正博さん(4年前に認知症と診断)、加藤芙貴子さん(7年前に認知症と診断)、古川よし子さん(3年前に認知症と診断)の3人の方です。

 私には、映像を見る限り、太田正博さん&加藤芙貴子さんのお二人が認知症とはとても思えませんでした。

 少なくとも4年・7年経過して今の状態なら、「認知症と診断したのは早計だったかも」というコメントもあっても良いのでは・・と感じ下記のメールをNHKに送りました(=番組構成に支障があるので読み上げられないのは分かっていましたが・・)。

送信メール内容

 非常に興味深く拝見しております。

 

 本人のお話は「良い面」・「悪い面」を感じておりますが、私には発症して4年も経つ「太田正博」さんが、アルツハイマー病とはとても思えません。

 アルツハイマー病が意外にも「軽い」というイメージを伝えそうで懸念を感じる一方で、「前向きに生きよう!」という番組のメッセージも感慨深く拝見しております。

 

 多くの専門的な視聴者は、4年も経って「こんなにも軽症?」と懐疑的に見てしまうのでは・・。

 通常、「若年性アルツハイマー病」の方が4〜6年も経てば、「失語症」などの症状が出現してくると思います。

 

 専門的な意見を言わせて頂きますと、「非進行型MCIでは?」と私は感じてしまいます。

 「リン酸化タウが高値」など進行型MCIであるという確認はとれているのでしょうか? 

 番組構成・流れは決まっているでしょうから、なかなかMCIのことまで言及できないとは思いますが、MCIに関する情報もきちんと伝えて頂ければ・・と思います。

 

 下記ファイルに「非進行型MCI」のことは記載しております。   

 http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/stableMCI2.shtml

 

 

P.S:

 「MCI」(=軽度認知障害)に関する詳細は下記をご覧下さい。

 

 http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/AlzMCIasada.shtml

「年齢相応の知的機能低下」

  AAMIとMCIの違い!

  MCI:1年でその12%,4年ではおよそ半分がADに進行した!

     旧称=isolated memory impairment!

 前駆期・早期の痴呆症との鑑別の上で問題となる年齢相応のもの忘れについて述べる。1986年にアメリカの国立精神保健研究所からAge Associated Memory Impairment(AAMI)という観念が提唱されている。

 これは50歳以上の人でみられる,人名や物の置き場所を思い出せないなどの記憶障害により日常生活に支障をきたした状態をさす。具体的には,最近の記憶に関する記憶テストの成績が若年成人の平均得点−1SD以下である。またWAISの語彙のサブテストで9点以上の得点,Mini Mental State Examination(MMSE)では24点以上である。

 AAMIは本来生理的範囲にとどまるものを意味し,ADの初期を含む観念ではない。ところが このように操作的な診断基準ではADとの関係が曖昧になってしまう。またこの基準でいくと,対象とした高齢者の半数以上がAAMIであったという報告すらある。こうしたことからAAMIに対しては強い批判がなされるようになった。

 このような背景で,悪性度の高いもの,すなわちADへと進行する状態として示されたのがMild Cognitive Impairment(MCI)である。

 その診断基準は,1)自覚的な記憶障害の訴えと家族によるその確認,2)年齢に比し異常な記憶力低下(記憶検査では平均値から1.5SD以上の低下),3)記憶以外の認知機能は正常,4)運転や家計などの日常生活の能力は保たれている,5)痴呆はない,である。 MCIと診断された患者を追跡すると1年でその12%,4年ではおよそ半分がADに進行したとされる。

 もっともMCIそのものは新しい観念ではない。というのは以前から,isolated memory impairmentと呼ばれ,その多くがADへと進展する一群があることが知られていた。

  (国立精神・神経センター武蔵病院  朝田 隆  宇野正威 共著)

         (平成13年4月号 精神科治療学 より抜粋)

 

その後の情報

 http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/MCI0718MedTribune.shtml

 http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/AlzMCINeurology2002.shtml

 http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/stableMCI2.shtml

 

(平成18年5月27日 NHK PM7時〜10時放送)

 

私の感想

 「明日の記憶」など、「軽いアルツハイマー病」の映像化が注目されていますが、アルツハイマー病の「本当の辛さ」ももっと伝えるべき!と私は感じます。ただ、本当に典型的なアルツハイマー病患者さん(=家族が介護で困惑するような!)はなかなかTV出演は了解してもらえないんだと思います。

 

ご意見はこちらまで

ホームへ戻る