年齢相応の知的機能低下

 

 AAMIとMCIの違い!

 MCI:1年でその12%,4年ではおよそ半分がADに進行した!

    旧称=isolated memory impairment!


(冒頭省略)

 次に前駆期・早期の痴呆症との鑑別の上で問題となる年齢相応のもの忘れについて述べる。1986年にアメリカの国立精神保健研究所からAge Associated Memory Impairment(AAMI)という観念が提唱されている。

 これは50歳以上の人でみられる,人名や物の置き場所を思い出せないなどの記憶障害により日常生活に支障をきたした状態をさす。具体的には,最近の記憶に関する記憶テストの成績が若年成人の平均得点−1SD以下である。またWAISの語彙のサブテストで9点以上の得点,Mini Mental State Examination(MMSE)では24点以上である。

 AAMIは本来生理的範囲にとどまるものを意味し,ADの初期を含む観念ではない。ところが このように操作的な診断基準ではADとの関係が曖昧になってしまう。またこの基準でいくと,対象とした高齢者の半数以上がAAMIであったという報告すらある。こうしたことからAAMIに対しては強い批判がなされるようになった。

 このような背景で,悪性度の高いもの,すなわちADへと進行する状態として示されたのがMild Cognitive Impairment(MCI)である。

 その診断基準は,1)自覚的な記憶障害の訴えと家族によるその確認,2)年齢に比し異常な記憶力低下(記憶検査では平均値から1.5SD以上の低下),3)記憶以外の認知機能は正常,4)運転や家計などの日常生活の能力は保たれている,5)痴呆はない,である。 MCIと診断された患者を追跡すると1年でその12%,4年ではおよそ半分がADに進行したとされる。

 もっともMCIそのものは新しい観念ではない。というのは以前から,isolated memory impairmentと呼ばれ,その多くがADへと進展する一群があることが知られていた。

(以下省略)

(国立精神・神経センター武蔵病院  朝田 隆  宇野正威 共著)

(平成13年4月号 精神科治療学)

 

私の感想

 素晴らしく分かりやすい良い論文ですね。

 MCIの概念が皆様にも理解していただけたと思います。

 

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