塩酸ミアンセリン(テトラミド)!
(冒頭省略)
その他の薬物療法
1)易怒性、日中の多動に対して
介護者に対して、怒鳴ったり、暴力をふるう場合や、日中の落ち着きのなさに対しては、ごく少量のスルピリド(ドグマチール)が有効な場合がある。パーキンソニズムなどの副作用予防のため、1日投与量を100mg以内にとどめる必要がある。
安易なマイナートランキライザーの併用は逆効果の場合があり、注意が必要である。
2)夜間の多動、不眠、不穏に対して
基本的には鎮静を試みる。やはり逆に不穏を誘発する可能性があるので、一般的に用いられる、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は慎重にすべきである。とくにトリアゾラム(ハルシオン)は避けた方がよい。
四環系抗うつ薬である、塩酸ミアンセリン(テトラミド)は強い眠気を誘発するため、痴呆患者の不穏に有効であるとする報告があり、当院でも頻繁に使用され効果をあげている。筆者は、痴呆症例の不穏対策の中核をなす薬剤であると考えている。ミアンセリンは効果発現までに数時間を要するので、就寝前投与ではなく、夕食後早めに内服してもらう。初回は5〜10mgとし、最大30mgまで増量が可能である。翌朝までふらつきが残る場合には、さらに内服時間を早める工夫が必要である。
(以下省略)
(東京都立荏原病院 神経内科 長尾毅彦先生)
私の感想
一般臨床医が最も悩む、「痴ほう症に伴う興奮症状」への薬物療法がコンパクトにまとめられており、とっても有用な論文と思いました。