「物忘れ病でも考えられる」!
痴呆症の患者や家族が幸せに生きられる社会を目指して、国際アルツハイマー病協会の第二十回国際会議が、十五日から十七日まで京都市の国立京都国際会館で開かれる。高齢化が進む日本でも、痴呆症への対応は重大な課題。国際会議室別に、痴呆ケアの現状と今後の方向性を三回に分けて紹介する。
(遠藤健司、高間 睦)
六月二十日、福岡市の都久志会館ホール。大勢の聴衆が見守る中、越智俊二さん(五七)=同市=は、デイサービス施設の女性施設長に付き添われ、ステージ中央に進んだ。演台には、大きな字のスピーチ原稿。施設長が指示棒で字をたどるのを追って、越智さんはゆっくりと話し始めた。
「私は五十七歳です。もの忘れの病気になり、ずいぶん苦しんだ時期がありました・・・」
痴呆症の本人が、公の場で自らの体験を語った国内初のできごとだった。
痴呆症の診断技術が進歩し、本人の判断能力が残っている段階で診断できるケースも増えた。それに伴って重要になったのが「告知」だ。
神奈川県の聖マリアンナ医科大では、メモリークリニック(もの忘れ外来)で軽度の痴呆症と診断した人には「基本的に告知している」(神経精神科の山口登助教授)
告知によって、治療方針などについて本人の意思を確かめ、自己決定を尊重することができる。本人の自覚が、越智さんのケースのように治療に役立つ場合もある。患者の尊厳を守り、生活の質を高めるための告知だ。
告知を受けた患者や家族には「もの忘れケア教室」が用意されている。患者たちは今の不安、情けなさなどを語り合い、家族は痴呆の正しい知識を学ぶ。臨床心理士のアドバイスも受けられる。
しかし、こうしたきめ細かな対応をしている医療機関はごく一部。告知の方法によっては、患者や家族が激しいショックを受ける場合もある。
若年痴呆の患者家族で組織する「彩星の会」(東京)でも「『アルツハイマーでもう治らない』とだけ言われ、途方に暮れた」「診察のたびに、痴呆の程度をみる簡易テストの点数を告げられるが、点数がどんどん低下していくので夫が落ち込んでしまい、見ていてつらかった」など、告知に疑問を持つ意見が聞かれる。
彩星の会顧問の都老人医療センター・高橋正彦医師(精神科)は「告知は病名だけを告げるものではない。病気の進行に沿って、その生活を家族とともに考え、援助していくこと」と強調する。
十五日からの国際会議で、越智さんは再び演壇に立つ。患者本人の思いを、専門家たちの心に届けるために。
私の感想
アルツハイマー病の告知問題に関しては、私も過日の朝日新聞で私見を述べました。
http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/AlzKokuti0904.shtml
上記のように、私も「MCI」の方に対して、「アルツハイマー病になる危険性が高いので今後のことをよくご自身で今の内によくお考え下さい」と話すようにしております。
痴ほう症告知のメリット・デメリットがまとめられた良い記事内容でしたのでご紹介致しました。