「薬剤経済学」注目集める

 

 アルツハイマー型痴呆も、症状の進行を遅らせることで介護費用が軽減するので、薬剤費の分を差し引いても、医療・介護費用が大幅に減る!

 費用対効果で薬の価値算出!


 胃かいようの原因のひとつとされるピロリ菌を、3種類の薬を併用する方法で除菌すると、薬と検査合わせて約12,000円かかる。また、最近開発されたアルツハイマー型痴呆の治療薬を中等度痴呆の患者に用いた場合、1か月あたり約15,000円かかる。これらは医療費として高いのか、それとも安いのか。結論から言えば、安いことになる

 従来のように、制酸剤を中心に胃かいようを治療すると、再発した場合も考えると、5年間の治療費は約390,000円かかる計算になる。しかし除菌治療すると、再発の危険が減り、5年間の治療費は平均170,000円に減少する。アルツハイマー型痴呆も、症状の進行を遅らせることで介護費用が軽減するので、薬剤費の分を差し引いても、医療・介護費用が大幅に減ると推計される。いずれも筆者が実際に分析をした例である。

 医薬品を使用するコストと、それによって得られる健康の価値や医療・介護費用の削減額を推計する「薬剤経済学」が注目を集めている。

(以下省略)

(慶応大学医学部講師・医療政策 池田俊也)

(平成13年6月17日 読売新聞・医療けいざい)

 

私の感想

 ピロリ菌の除菌療法の医療経済的効果は概ね理解できるのですが、アルツハイマー病治療薬(アリセプト)の医療経済的効果に関してはよく理解できません。

 確かに欧米からも同じように「アリセプトの医療経済的効果」に関する論文が発表されています。今回の池田先生のコラムも、ピロリ菌に関しては具体的数字が並んで分かりやすく解説されています。しかしアルツハイマー病に関する数字は少ないため、なぜ「結論から言えば、安いことになる」という結論になるのかよく分かりません。確かに単年度の収支を出せば「症状の進行を遅らせることで介護費用が軽減するので、薬剤費の分を差し引いても、医療・介護費用が大幅に減る」となるのかもしれませんが、アルツハイマー病は結局は進行する病気ですから、結局は遅れて「介護費用」のつけが回ってくるだけだと思われます。

 私は、アリセプトの「治療効果」で改善する人がいるからそして喜ばれる家族がいるから使っています。医療経済的効果はないのではないか思っています。

 

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