第II相継続試験で有用性示唆!
選択的β-42アミロイド低下薬Flurizan!
〔米ユタ州ソルトレークシティー〕
Myriad Genetics社は,カナダで軽度アルツハイマー病(AD)患者を対象に実施された選択的β-42アミロイド低下薬Flurizan(一般名R-flurbiprofen)の第II相継続試験データを,米国老年精神医学会(AAGP)の第19回年次集会で発表し,第III相試験への抱負を明らかにした。
継続治療で効果が増強
12か月間の第II相試験の結果および9か月間の継続試験で得られたデータの要約を,ユタ大学神経精神医学研究所(ソルトレークシティー)薬理学の助教授で精神医学・神経学のDaniel Christensen教授が報告した。
それによると,Flurizan800mgの1日2回投与を受けたAD患者では,認知ならびに記憶減退に対する遅延効果が合計21か月に及ぶ投薬治療後も引き続き認められ,また,日常生活における総合的機能と活動の維持が同薬400mg群とプラセボ群よりも多く認められた。
21か月日にはプラセボと有意差
試験開始後12か月から21か月までの9か月間の継続治療中のAD尺度に照らしたデータは,投薬期間が長いほどFlurizanの作用強度と有意性が増大することが示唆された。第II相試験では,初期の12か月間のFlurizanの効果を実薬群とプラセボ群の間の減退率(傾き)の差として評価した。継続試験では,実薬群には同じ投薬を続け,プラセボ群は実薬群(800mgまたは400mg)にランダム化割り付けした。このため,21か月日の実薬群の薬効は,12か月日から外挿したプラセボ群の傾きとの差で判定した。傾き,すなわち作用強度の差の統計学的有意性をp値として算出した。
21か月日のアルツハイマー病共同研究・日常生活動作(ADCS-ADL)評価で,Flurizan800mg(1日2回)投与群では,プラセボ群の外挿値と比較した作用強度が52%となり,有意(p=0.029)であった。同じく21か月日の患者の総合機能では,臨床痴呆評価サブスケール(CDR-sb)で作用強度は75%となり,有意(p=0.0007)であった。
このデータから,日常生活と総合機能に同薬がかなりの効果を発揮すること,この効果は経時的に増強することがわかった。また,アルツハイマー病評価・尺度の認知関連尺度(ADAS-cog)で評価したFlurizanの認知減退改善作用も,21か月目の作用強度は60%であった。これらのことから,Flurizanは軽度のAD患者に持続的効果を発揮すると判断された。
私の感想
ワクチン療法によらないアミロイドターゲットの薬剤(=選択的β-42アミロイド低下薬Flurizan)の開発が進められていたことは、この記事を読んで初めて知りました。アルツハイマー病初期にはかなり有望視される治療となるような気がします。