園芸療法

 

 五感の刺激で心癒す!

 学ぶには!


 週末、山野草の鉢植えを手入れする時間は心が和みます。最近、園芸は病後のリハビリや健康づくりにも採り入れられています。この園芸療法の担い手を育てる学校も増えてきました。調べてみました。  

(石田勲)

 

 99年から採り入れている特別養護老人ホームの芦花ホーム(東京都世田谷区、入所者100人)を訪ねた。月に2回、敷地内で咲いた花を使って、フラワーアレンジメントをしている。お年寄りたちは種まきや草取りなど季節に応じて花の世話もする。

 この日の参加者は8人。うち2人は、数年前まで脳梗塞や痴呆症で、ほぼ寝たきり状態だった。指導役は、東京農業大生涯学習センターで園療法を学んだボランティアの棚橋洋子さん。「閉じこもりがちだったお年寄りが、自然に花に手を伸ばすようになりました」と話す。

 植物には心を癒やす効果のあることが知られている。

 窓から植物の見える部屋にいる患者は、壁しか見えない患者に比べて、術後の入院日数が少なく、痛みも早く和らいだと、米国の心理学者が84年に報告したという。98年には学生に暴力的なビデオを見せた後に草花を見せると、ストレスから早く回復したとする報告も発表されている。

 最初に療法として導入したのは米国。第2次世界大戦やベトナム戦争で心と体が傷ついた軍人らの社会復帰∧向けた支援策の一つだった。

 日本には90年代に紹介された。草花の世話をして体を動かすことで、身体の機能を回復し、より健康になることを目指す。植物は昼夜や季節ごとに変化する上、色、形、香りも多彩なため、五感が刺激されるのも利点と言える。

 九州大などによる研究チームは国内での広がりを調べるため、99〜01年に全国アンケートした。9700の福祉施設から回答があり、高齢者施設の45%、知的障害者施設の66%で園芸活動をしていた。

 神経内科医の吉良成恭・広島国際大教授は中国、四国地方を担当。身体効果では、食欲が増えた(17%)、不眠の改善(9%)、失禁の改善(2%)など、心理的効果では、積極性が出た(33%)、情緒が安定した(15%)、痴呆状態が改善された(6%)などの回答が寄せられた。

 吉良さんは「施設側の主観的な評価が中心とはいえ、改善の兆候が出ているのは確かなようだ」と話す。

(中略)

 

詳しく知るには

 「園芸療法のすすめ」(創森社、本体2667円)、「園芸福祉のすすめ」(同、1524円)は入門書として参考になる。NPO法人・日本園芸福祉普及協会(事務局・東京都中央区、03・3562・8500)のホームページ(http://www.engeifukusi.com)も役立つ。

 

学ぶには

 兵庫県立淡路景観園芸学校(0799・82・3455)は4月9日まで04年度の受講生15人を募集。面接、小論文などの試験がある。受講は9月から1年間で全寮制。資格を得て一定の条件を満たせば、米国の園芸療法協会の資格認定も申請できる。ホームページはhttp://www.awaji.ac.jp/。日本園芸福祉普及協会は1日講座の他、協会が認定する園芸福祉士の養成講座を設けている。

(平成16年3月29日 朝日新聞・元気)

 

私の感想

 園芸療法の科学的なエビデンスはまだこれからの課題のようですが、徐々に拡がりを見せているようですね。

 私のサイトにも、園芸療法に関する問い合わせを受けることがありましたが、私自身は経験がないため全くコメントできませんでしたが、この記事はそんなときのコメントにも重要な資料となりそうです。

 

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