進行性核上性麻痺:核上性眼球運動障害(垂直視の障害)!
皮質基底核変性症:頭頂葉を中心とする大脳の非対称的な萎縮が特徴的!
(1)血管性痴呆
脳血管障害による血管性痴呆には、小梗塞が多発する多発梗塞性痴呆と大脳白質の広範なビンスワンガー型病変による痴呆とがみられるが、前者は急激な発症、段階的な増悪、夜間せん妄、うつ状態、感情失禁、その他の神経症状が特徴的であり、後者では緩徐な症状の出現、尿失禁、歩行障害、人格変化、夜間せん妄などがみられるが、局所的神経症状は目立たないことも多い。
(2)ピック病
ピック病では特有な人格変化(欲動性脱抑止、無頓着、考え無精など)、行動面での繰り返し、言語の減少、自発性低下などがみられ、AD(アルツハイマー病)のような著しい近時記憶の障害はなく、画像診断で前頭葉や側頭葉の限局性萎縮が認められることが特徴的である。
(3)レビー小体型痴呆
レビー小体を伴った痴呆では認知機能の変動、幻覚、一過性の意識障害、パーキンソニズム、抗精神病薬への過敏症などが特徴的であり、病理学的にはレビー小体が脳幹部や大脳皮質に認められる。
(4)クロイツフェルト・ヤコブ病
クロイツフェルト・ヤコブ病では皮質性視覚異常、ミオクローヌス、錐体路症状、錐体外路症状、痴呆などが亜急性の経過で出現し、数カ月以内に四肢の拘縮、失外套症候群を来すことが多い。脳波の周期性同期性放電(periodic synchronous discharge:PSD)が特徴的であり、病理学的には灰白質の広範な海綿状態がみられ、異常なプリオン蛋白によるものと考えられている。
(5)進行性核上性麻痺
進行性核上性麻痺では核上性眼球運動障害(垂直視の障害)、仮性球麻痺、錐体外路症状(パーキンソニズム、ジストニア)、皮質下性痴呆(思考過程の渋滞、知識の利用障害、想起の障害)などが特徴的であり、病理学的には神経原線維変化の出現と中脳被蓋の萎縮が認められる。
(6)皮質基底核変性症
皮質基底核変性症では画像診断で頭頂葉を中心とする大脳の非対称的な萎縮が特徴的であり、記憶障害、見当識障害、計算障害、失語などに加えて、失行、構成障害、眼球運動障害、錐体外路症状(パーキンソニズム、ジストニア、不随意運動)などがみられる点に特色がある。
(筑波大学臨床医学系神経内科 玉岡 晃)
私の感想
アルツハイマー病の鑑別診断に関して、よくまとまった内容でしたので、専門的な内容でしたがご紹介いたしました。
皮質基底核変性症というのは今のところ私も自験例はありません。見逃しているだけかもしれませんが。